劇場公開日 2021年3月20日

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「アホにならないと一人前とは言えない・・・」生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アホにならないと一人前とは言えない・・・

2021年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 終盤になるまでは島田叡の経歴、家族との絆、沖縄県知事になってからの人脈など、それほど惹かれる内容じゃなかった。ところが県庁壕など、壕を移り住むストーリーになってkら彼の住民第一主義が浮き彫りになり彼の生き方に共感しまくり。「管理の鑑」と言われる人物像に驚いてしまった。

 「ここで県庁は解散。これからは自由に生きてください」という言葉(不明瞭)。玉砕に対する嫌悪感から、個人を尊重する民主主義を貫いた姿勢。軍国少年たちもビックリだ。

 映画の後半は首里城陥落から南下する陸軍と住民たちを生存者たちのインタビューを交えて描く。壕の中では軍民共存という異常事態。米軍に見つかるからと言って殺された少女の話が強烈だった。壕を生き抜いた人々の言う「アメリカより日本兵のほうが怖かった」という言葉も強烈だった。

 島田叡の思想よりも「軍は住民を守らない」ということが最も印象に残った。『カメジロー』よりはインパクトは薄かったけど、TBSらしいドキュメンタリーで沖縄戦を忘れてはならないのだと再確認した。語りが佐々木蔵之介だったこともビックリ。

kossy