「沁みるひめごと」劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
沁みるひめごと
優しく元気なおかっぱ女子は、色々なものを胸の内に秘めつつ、いつでも静かな微笑みを見せてくれて、それが何とも愛しかったです。少女っぽいシーンより、大人っぽいところに感激。
もう一つの魅力は、父親の拙い愛情表現。「隠し事は描く仕事」と言う幼い語呂合わせが、まんまそれを象徴していたようです。時折り顔つきが全くのギャグ画風になるのは、作者の余裕のテクニック。
可久士さんに言いたいのは、いっそ娘さんターゲットに別線でファンタジーでも描いたらと言う意見。しかし生真面目で変人な父親は、そんな技は使えない。
坂道や光る海の遠景は、姫ちゃんと可久士さんの父娘の心が辿った道筋のようだったし、覗きこんだ家の中や見晴らした外の景色は、姫ちゃんの揺れる心象風景を表しているように感じました。
光を一杯にまとい、影を少し縫ってこれまで生きてきた女の子が、またまとい、縫って生きていくこれからに静かに拍手。
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