「エリートvs青春とは」映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
エリートvs青春とは
クレヨンしんちゃん
作者が急逝してだいぶ立ちますが
いまだに作り手やファンの支えでアニメも劇場版も
続編が作られ続けている定番シリーズ
作品を通じて作者の存在を知るという観る側から
すると作者亡き後も作品が残り続けているというのは
素晴らしいことだと思います
そんなクレしんの最新作
前作ラクガキングダムと同じくコロナで延期など
ありましたがおそらく初の学園モノでミステリー
という幼稚園児の世界のクレしんとしては
新鮮な舞台になりました
…正直前作のラクガキングダムは
子供が落書きを手書きでするノスタルジーだけに
ウェイトがいってしまいなんかギャグ的にもズレた
感じの作品に感じていましたが今作はかなり
ギャグに振り客席の反応からするに
子供もゲラゲラ笑える作品になっていたようです
今作のカギになるミステリー要素も
おちゃらけてはいるものの構成はしっかり
しており誰が犯人か?どんな証拠があるか
などに関してもしっかり伏線が張られており
ぶっちゃけミステリーが本職の筈のこないだの
某子供探偵映画より全然しっかりしてました
しっかり推理をミスリードさせる要素もあります
あの証拠品ずっとネイルだと思って見てましたが
それが作り手の狙いだったんでしょうね
エリートになるための英才教育に
青春は邪魔かもしれないが
青春は若者のなんでも全てであるというこの作品の
メッセージは今のはコロナでぶっ壊れた社会
高学歴だから幸せになれる
一生安泰な会社があるという絶対的価値が
揺らいでいる今こそ本当の人間の価値を見出すのは
自分であるというメッセージを知らず知らず
子供にも伝えているのかも知れません
そもそもクレしんはどちらかといえば大人向けの
漫画誌にマセた幼稚園児が大人に絡んでいくことで
世間の日常を面白おかしく漫画にした異色作
ギャグのオブラートで包んでいるからこそ
実現できてる何でもありの世界観を
この映画は存分に使いこなしている気がしました
冒頭にあるように原作者が関わらずとも
作品のコンポーネントを維持したこうした作品が
生まれる事こそ作者の方も喜んでいるものと
思います