漂流ポストのレビュー・感想・評価
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消えた体と残った心の救済に、涙が止まらない
ファーストシーン…
その2カット目で世界に入った。
大切な人との時間は、明日消えるかも知れない。誰でも楽しい時、その時はそうは思わない。
陸前高田市の、とある場所に置かれた郵便ポストは、あの日、突然そこから居なくなった人への思いを伝えるポストだった。そこには今も続くあの時間があった。
見つけた30分の小さな物語
少ない人数で作った映画に
大切なものが込められていた。
海は美しい
憎いだろうが美しい
そう思うしかない。
※
運命の皮肉
「風の電話」の手紙版、親友を3.11で亡くした園美が天国への郵便ポストを尋ねる短編。漂流ポストは風の電話同様実在するが園美と恭子のエピソードは実話かどうか分からない、恭子は親の離婚を苦にして学校の屋上から飛び降り自殺しようとしていたと語られるが、命の軽視。そんな恭子が園美との出会いで救われたにもかかわらず震災で死んでしまうとは運命の皮肉。なんとも後味の悪い感傷ドラマでした。
通らなければならない道
中学生時代に震災の津波で亡くした友人と交わした、将来のお互いへの手紙が見つかり、漂流ポストへ出しに行く話。
震災から10年経ち、未だ亡くした友人への感情が吹っ切れない主人公に、手紙の入ったタイムカプセルがみつかったと連絡があり始まっていくストーリー。
この作品のあらすじを見るまで漂流ポストというものは知らなかったけれど、それはオカルトとか、信仰とかではなくて、手紙を出す側が気持ちを切り替える為のもの。
忘れる為では無く、過去と向き合い前を向く為、生きている自分の為に出す手紙の話であり、特段変わった展開がある訳ではないものの、30分という尺の中で主人公の感情とその変化がしっかりと伝わって来た。
「災害で抱えた心の傷」はとても深い
この映画を新聞記事で知り鑑賞、2月27日が初日。シネ・ヌーヴォX(2F24席)で初鑑賞、観客は私を含めて2名。30分の短い映画でしたが、「災害で抱えた心の傷」はとても深いものだと身に沁みました。同様の作品「風の電話」が再上映されるようだ、なんばパークスシネマ( 2020.1.24)で鑑賞した。
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