劇場公開日 2022年1月7日

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「女性ならば共感ができる」truth 姦しき弔いの果て canada_1994さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0女性ならば共感ができる

2022年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

終始、舞台をみているような臨場感でした。物語は、最初から最後までクスっと笑える喜劇です。

しかし、女ならば共感できる部分がある言動、行動、衝動が全て詰まっています。

思考が男性に近い女性は理解できないかと思いますが、他の女性に対して、どうにもならない嫉妬をしたことがある人であれば、理解できる感情です。

私は、ラストシーンで、女性としての共感からの思いがあふれ、涙が出ました。

堤監督らしい、と言うべきところは、シリアスなシーンで、ずっこける笑いを取りに行くところですね。

他のレビューにも書かれているように、品性を疑うような台詞もありますが、それは、どれ程自分が愛されていたかを表現するために、下ネタを言ったりしない女性が、マウントを取るだけのために、無理をして言う女性特有の行動だと、私は理解しました。

特に、マロンが、とても赤裸々に言っている感じでしたが、少し無理をして言っているような、そのようなわざとらしさを感じたので、そうだと理解した次第です。女性の中で、そのような無理をして、その場面を思い出しただけで、過去の自分を殺したくなる方は、多いのではないでしょうか。

また、一見、最も非常識な人間であるかのようなマロンですが、冷静沈着を装っている医師のサナと、情緒不安定な受付嬢のマユミが、正気を無くして取っ組み合いの喧嘩をするときはいつも、喧嘩には交わらず、戸惑いながらも必要な行動をとります。マロンは、実はこの中で最も冷静なのでは、と思いました。

特に演技が面白いのが、医師のサナです。冷静な演技と正気を失った演技のギャップが、素晴らしいです。英語を多用しますが、発音があまり上手ではないところが、違和感だらけの空間を作り出すのが上手な、堤監督らしい演出だったのかな、と、思いました。

書きたいことは、たくさんあるのですが、ネタバレになるのでこれ以上は書けません。様々な意味合いで、とても面白い映画でした。とてもとても、有意義な時間を過ごしました。

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canada_1994