「【自動車事故死した男”真”と、三人の彼女達のフューネラル密室劇&自らの存在意義を掛けた会話劇。誰が一番”真”に愛されていたのか・・。今作品が、世界の映画祭で複数の賞を受賞した事実は実に喜ばしい。】」truth 姦しき弔いの果て NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【自動車事故死した男”真”と、三人の彼女達のフューネラル密室劇&自らの存在意義を掛けた会話劇。誰が一番”真”に愛されていたのか・・。今作品が、世界の映画祭で複数の賞を受賞した事実は実に喜ばしい。】
ー 堤幸彦監督の50作目!(快挙であろう。)は、初の自主製作作品である。
きっかけは、コロナ禍で仕事を失った三人の女優(広山詞葉・福宮あやの・河野知美)が、プロデュースも、資金集めも買って出て、映画を作りたいと相談してきたからだそうである。
この状況下での、”映画作りへのストレートな情熱を感じたから引き受けた”
と、監督はコメントしている。-
■物語は、40歳のリッチで高学歴な男、真(佐藤二朗:写真と、声のみの”忖度”出演。)が、愛した女たちが、彼の自動車事故死により、彼の部屋に集まって来るところから、始まる。
・セレブなマタニティクリニックの院長さな(河野知美)と
元ヤンキー風のシングルマザーのマロン(福宮あやの)と
美貌を武器に受付嬢をしている真弓(広山詞葉)。
ー 序盤は、三人の会話劇が面白い。”誰が一番、真に愛されていたのか・・”-
・徐々に明らかになる三人の関係性
マロンは月曜日に、真弓は水曜日に、さなは金曜日に真と愛し合っていた事が分かるシーン。
三人とも、35歳である事。
■そして、三人の名前には全て”真”と言う文字が入っていた事が分かり・・。
残された、”真”の絵は誰をモデルにしていたのか・・。
- 真は三人の女性を同じように愛していたのだ。
それに気づいた三人の女性が行った真のベッドの上に並んで行った
真の精子を使っての”人口受精”のシーンは印象的である。-
<35歳の女性三人の面白き会話劇であり、密室劇でもある。低予算で撮影期間は二日だったそうである。
最初は、トリッキーな映画かと思いきや、三人の女優の映画を愛する”ど根性”による熱演に引き込まれた作品。
このような作品が、世界の映画祭で複数の賞を受賞し、注目を集めている事は、喜ばしい限りであるとも思った作品でもある。>