潔白のレビュー・感想・評価
全11件を表示
結局は上手な「隠れ蓑」だったのか?
名張事件を思い出した
3月3日、名古屋高裁は名張毒ぶどう酒事件における新証拠を認めず、再審請求を却下したという。てっきり冤罪事件を覆す方向に進む映画だと思っていたら、かなり違った展開になった印象。
父親に虐待されていたため、父の葬儀にも出席しなかったアン・ジョンインだったが、そこで農薬入りマッコリによる殺人事件が起こり、母親が拘束されたため、他の事件の公判を先輩にまかせて、実家の大川市に向かう。母の単独犯?それとも自閉症を患っている弟ジョンスも関与しているのか?認知症を患っていた母に面会して、潔白を証明しようと躍起になる弁護士ジョンイン。調査するうちにカジノ建設によって儲けている者がいることがわかり・・・
母との面会は涙なしでは見られない。義父の虐待から守れなかった後悔の念。そして真相、過去の殺人etc.しかし、こんな結末で本当にいいのか?なんだか復讐の代行みたいで後味は悪いけど、モノクロ映像である冒頭や貯水池に遺灰をまくシーンが印象に残り、家族のそれぞれの思いが伝わってきました。
感動してもよいのか?
法廷劇に見せかけた母娘の感動モノ
父親の葬儀の席で農薬入りのマッコリが振る舞われ集団殺人が行われた。弁護士の娘が逮捕された母親を弁護するサスペンス。
認知症の母と自閉症の弟。家族で事件のことをちゃんと覚えていて証言できる人間がいない。しかも母親は弟をかばうために自分がやったと自白している始末。
さぁ、どうやって無罪を勝ち取るのか?と思っていたら想像以上の結末が待っていた。なるほど、それで冒頭のシーンが絡んでくるってことか。なかなかすごい展開だ。でもそれでいいのか?と少し思ってしまう。
法廷劇に見せかけて、実は母娘の感動モノの色合いが濃い。やはり韓国のサスペンスは安心して観ていられる映画が多い。
それにしても市長役の俳優は本当に悪い顔してる。日本であんなに悪い顔してる俳優思い浮かばない。地味なんだけど、舞台づくりには欠かせない要素だ。
死人に口なし
父親の葬儀で農薬入りのマッコリによる殺人事件が起き、容疑者となった母親を助ける為に、疎遠だったやり手弁護士である娘が奔走する話。
子供の頃から父親に疎外されると共に暴力を振るわれていた主人公。
容疑者である母親は認知症を患い主人公のことを認識出来ない程だし、弟は知的障害を持ち、死んだ父親も町の嫌われ者で村八分だったというどん底設定。
開始早々に毒入りマッコリで3人死亡、2人重体となり、展開していくけれど、かなり早い段階で怪しいやり取りもみせられて展開していく。
そんな中で真実や如何に?となっていくけれど、主人公が切れ者というよりも、回りがあまりにもポンコツな過ぎたるは及ばざるが如しの連続だったり、ご都合主義を通り越し、最早コントの様な母親の認知症の症状、と何だかとても安っぽさを感じ、泣かせどころにもグッと来ず。
ただ、過去の出来事に波及しつつみえてくる、ドロドロとしたものに真実にと、怒りと悲しさとやり切れなさとが混じり合い、プロットそのものは非情に面白く、違う演出でみたいと感じた。
この結末で良かったのかどうか。
全11件を表示