「三重構造の復讐譚。油断するな。」フロッグ じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
三重構造の復讐譚。油断するな。
バックグラウンドに少年誘拐事件があり、不穏な雰囲気を持つ家族(警官の夫、精神科医の妻、高校生くらいの息子)の話が前半、オカルト的な謎めいた小さな事件が家族に起きる。食器や写真が無くなるとか、テレビが勝手につくとか、まるで悪魔が住む家みたいだ。
ガラス屋さんが修理に来て、「女の子に入れてもらった」という。ますますオカルトだ。
フロッグはカエルだが、ここではフロッギングという遊びだ。簡単に言うと、勝手に他人の家に住み着いて、ドキュメント的な撮影をしてYouTubeで公開することを繰り返しながら、飛び跳ねるように家を変えていくということのようだ。
さて、前半のクライマックスは、不貞を働いた妻の元にその間男が現れることから始まる。何故か、マグカップで怪我をして、地下室に隠れさせられるのだが、誰もいないはずの地下室で何者かに殴られて死ぬ。この時点ではフロッグに扮したアレックスがやったんだと思っていた。死んだ間男は息子がやったと思い込んだ妻と夫によって郊外に埋められた。
かと思えば視点が変わって、フロッギングをする男女の姿が。
つまり、不思議な現象は彼らのせいだったのだ。
アレックスはミンディの忠告も聞かずイタズラをエスカレートさせていき、ついに息子にコンタクトを取ってしまう。なぜ彼はこんなことをするのか。頭のおかしい奴にしか見えない。
アレックスはミンディと喧嘩して、階段から落としてしまい気絶させてしまう。逃げるために車に入れたところに夫が帰ってくる。ここから第2のクライマックス。ようやく、拉致事件と繋がってくる。
最後はアレックスの頭のおかしい行動の意味がついに明らかになる。アレックスこそがこの復讐譚の主人公だった。
あー面白かった。犯人は種明かしされるまで気づかなかった。アレックスがやったと思っていた。
サスペンススリラーの鉄則は1番怪しくない人を疑えというものだが、それはここでも当てはまる。
それにしても、うちに帰ってきたら、死体がふたつと誰?となるわなあ。息子の行く末が心配になる話ではあった。