「心が無いのは…誰?」アーカイヴ MARさんの映画レビュー(感想・評価)
心が無いのは…誰?
故人の記憶がデジタル化され、会話できるシステム、「アーカイヴ」を違法利用し、事故死した恋人の記憶をロボットに移行し、蘇らせようとする主人公の物語。
ロボット製作者の主人公ジョージ。プロトタイプのJ1、J2と呼ばれるロボットと生活し、より人間に近いロボット、J3も完成間近。そのJ3に彼女の記憶を移行しようとする主人公だが…。
J2は嫉妬心からジョージの研究の邪魔をしてしまう。J2の純粋にジョージを想う姿、そして当然それに向き合うわけでもないジョージ。健気なJ2に胸が痛む。。そして最後、J2がとった行動は…。
さらに、完成したJ3との間に起こる問題。
さらにさらに、アーカイヴ制作企業とのいざこざ。
さらにさらにさらに!、待ち受けていたのは驚くべき結末!!
全体を通し地味な印象だったが、小どんでん返し(⁉)にさらに大どんでん返しがぶっこまれた展開には思わずゾワっとさせられた。
ネタバレ厳禁な作品ですが、序盤から終盤まで、どことなくフワフワしているのはつまりそういうことだったからか。
そういう意味で面白かったけれど、気になる点もちょくちょくと。
個人的にも好みな結末と言えるが、よくよく考えたらそうだってことは、J2の健気な物語とかも全部…と考えたら、ちょっと。。
また、日本設定は必要だっただろうか?シュール翻訳で緊張感が途切れる(笑)
牛天国って…モーパラですか。そして、正確には「禁煙」でしょ!!
逆に、特に気に入った点としては、地味ながらもJ1の存在。
設定上、長女であるJ1だが、事実上末っ子的存在。
観ようによっては、J2よりも遥かに声にならぬ感情を表現していたようにも思える。
加えて、J2に厳しく、J3に多くを求めるジョージが、J1にだけは優しい親の顔になるのが印象的だった。
少々複雑な内容なので、全てを知った今の状態でもう一度見返してみたいと思える作品だった。