「誰がユウくんを殺害したのか?そして追い込んだものとは?」明日の食卓 スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
誰がユウくんを殺害したのか?そして追い込んだものとは?
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子育てにおける母親たちの葛藤を描いた社会派作品。
3つの家族が登場するが、それぞれ住む地域や境遇が三者三様でバラバラだ。
ただ、共通しているのはそれぞれが石橋ユウ君という同姓同名の10歳の男の子を育てているという点。
3人の母親はそれぞれに抱えているものがある。
旦那の浮気と仕事の忙しさからつい子どもにきつくあたってしまう母親もいれば、
シングルゆえに働き詰めでなかなか子どもと一緒に過ごせず、何でもさせてあげたいからこそ、お金にシビアになっている母親もいたり、
一見裕福で何の問題も抱えてなさそうに見えても、自分の子に限ってというバイアスがかかっているせいで子どもが人知れず悩んでいることに気づいてあげられない母親もいたり。
家庭をもつ者にとっては喫緊の問題だ。
現実的に、離婚率の高さ・機能不全家族の顕在化と増加・少子化・晩婚化のひとつの遠因などなど現代に蔓延るあらゆる社会問題に通ずる。
母親は強いというのは、幻想だ。
強いとされる者に何もかもを押し付け、放っておくのはもはやそれ自体が犯罪だ。
パートナーは追い込んだこと、愛想を尽かされたことに一生恥じるべきだ。
作品なんか見なくていい、必要なのは
己の家族を省みることただ一択。
古い価値観をもつ野郎どもが気づかなくては
かろうじて残る家制度は形骸化し、廃る一方だ。
そんな世の中で子供は育ちたいとさえ思えない。
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