「狂った歯車」明日の食卓 星月夜さんの映画レビュー(感想・評価)
狂った歯車
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瀬々敬久監督の良作がまたひとつ誕生。
母親と息子について色々考えさせられた。
主演が菅野美穂さんで助演が高畑充希さんと尾野真千子さんだという事を後から知ったのだけれど、3人とも主演級という素晴らしいキャスティング。
助演の方々も一人ひとりが活きていて演出の手腕が窺えます。
私の周りにもリアルにいそうな人たちに思えた母と息子。
きっと〝ユウ”くんは特別ではなく、日本国内のあちこちにいて今日も笑ったり泣いたり生きているんだね。
43歳のフリーライター・石橋留美子。
30歳のシングルマザー・石橋加奈。
36歳の専業主婦・石橋あすみ。
三人三様だけどそれぞれ幸せそうに見えたのにやがて歯車が狂ったように炙り出される難題。
一度崩れ出すと立て直しはなかなか難しい〝日常〟
母親の苛立ちと怒りの矛先は子どもへと向けられてしまう。
万引き家族でも思ったけれど血縁関係にある我が子は自分の所有物のように思えてしまうから…
あすみの夫が母親の認知症に気づかなかったように、見えてるようで一番見えてないのが親子かもしれない。
というか、男性陣の描かれ方が情け無い感じで残念だった。
でもそうじゃないよね。
子育てってみんなでするものじゃないかな。
毎日元気に生きてれば幸せ…色々起るけれど、歯車が狂いそうになったら周りと支え合って心を柔らかくして思い詰めないこと。
4人目のユウくんとお母さんみたいな悲劇が起こりませんように。
椰月美智子さんの小説もぜひ読みたい。
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