劇場公開日 2021年5月14日

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「宗教が描くピンク産業界にメスを入れた作品」美しき誘惑 現代の「画皮」 TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5宗教が描くピンク産業界にメスを入れた作品

2021年5月17日
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映画としてのクオリティが低い。
何をもってクオリティとするかだが、まず全体的に絵が古すぎる。衣装もメイクもカツラもチープさが否めない。銀座のクラブもセット云々、もっと撮り方とポスプロでカッコよく仕上がるところも全てダサい方向に持っていっている。

あと、なぜこんなに回数を重ねていてVFXの技術がお粗末なのか。
もう少し減らして、演出で豹変する様を描いた方がよっぽど異物感がないだろう。

宗教映画としてはやや異質だが、テーマとしては宗教が訴えるべきものはある。

ただ、音楽で描くような画皮の哀しみにまでは迫りきれていない。感情の機微を描くのは、ここは実に下手である。海空(空海)に諭される男の主人公の心の動きも全て言葉で補うという、映画らしからぬ情緒のなさ。

ラストに救いがあることはこの映画の肝ではあるが、宗教映画はどこもそうだが、主人公の感情に量子的飛躍があるため、凡人にはついていけないのである。

賞を獲るのはいいが、映画は総合芸術である。脚色、カメラワーク、メイク、衣装、VFXや音楽も一般的な映画の技術やセンスに比べ、大きく劣っているのに、大きく見せようとする態度に謙虚さは感じられない。

役者は気にならない程度の演技力だ。矢部美穂が一番華があった。銀座のクラブにあんな垢抜けない子達はいない。

TOKIES