BLUE ブルーのレビュー・感想・評価
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青コーナーに立つ拳闘士への応援歌
意外にボクシング映画の王道
スタンプ会員の日にいつもの映画館で
この監督の作品と知り急遽リストアップ
スクリーンでは初めて
観てよかった~
意外にボクシング映画の王道
松山ケンイチはこれまでちょっと敬遠していたのだが
誠実な主人公を好演 ホントいい奴で好きになる
シャドーボクシングの姿は素晴らしく美しかった
東出昌大もよかった
鍛えこまれた身体が美しい 誰でも惚れてまう
カッコ悪いドランクぶりもリアル
本格俳優に戻ってくれ
柄本時生もよかった
これもボクシング話の王道で嬉しかった
あしたのジョーの青山を思い出した
コント仕立てのようなエピソードがちょうどよく挟まり
適度な箸休めになっている
ジムの会長役とかも実にいい顔 誰なんだ
監督自らのクレジットにわざわざ殺陣指導との表記…
こだわりを感じる いろいろ調べてみようと思ったら
チラシに監督の言葉
〉 流した涙や汗、すべての報われなかった努力に
〉 花束を渡したい気持ちで作った
この映画に貫かれるボクシング愛がスーっと理解できた
大傑作
それにしても新コロよ
金曜日の夜に観客3人
映画終わりにビールでも…と思っても開いてる店なし
駅前広場にてビール2缶
少し寒かったが心地よく酔っぱらった
学生の新歓とかサラリーマンの歓迎会とかで
にぎわう季節だろうに 寂しくもある
舞台挨拶行ってきました!!
みんな見るべき。
【強さ】
強さとは何だろうか。
勝ち続けること。
強さとは何だろうか。
潔く負けを認めること。
強さとは何だろうか。
また立ち上がること。
強さとは何だろうか。
研鑽し続けること。
強さとは何だろうか。
自分の弱さを認めること。
でも、弱さを見せないこと。
強さとは何だろうか。
相手を認めること。
でも、相手に怯えないこと。
強さとは何だろうか。
考え続けること。
強さとは何だろうか。
背中を押してあげること。
そして、見守ること。
強さとは何だろうか。
引き際を決めること。
そして、黙って去ること。
強さとは何だろうか。
友を遠くから想うこと。
そして、祈ること。
強さとは何だろうか。
「ずっと負ければ良いと思っていた」「分かっていた」
嫉妬や侮蔑を隠して、でも、そうであることは知っていても、口に出さないで平然としていることも強さかもしれない。
強さとは何だろうか。
きっと来るはずのないチャンスのために密かに準備をすることも強さかもしれない。
ここに散りばめられた様々な強さは、全ての人に向けられたオマージュだと、僕は思う。
なんか、素敵な作品だと思った。
虜になった3人の生き方
ボクシングシーンは一見の価値あり。
試合で勝てない青コーナーが定位置の瓜田。持って生まれた才能で日本チャンピオンまであと1歩の小川。バイト先の女子にモテたい一心でジムに入門した樽崎。
いつも周囲に気を配り博愛主義者のような振る舞いの瓜田。しかし好きな女性は後輩小川と交際中。更に才能で自分を圧倒的に凌駕する小川への心の内に秘めた嫉妬心。
その小川に唯一本音を漏らす場面。その静かだけど男臭いやり取り。同じ場所を目指したボクサー同士。そして同じ女性を想う男同士のお互いへの励ましのような掛け合いに聞こえて泣けた。
本来ならこの2人で話が成立しそうだけどそこへ樽崎が新しい風を吹き込む役どころとしていい味出してます。
松山ケンイチが真っ直ぐで柔らかな瓜田を、柄本時生がへっぴり腰からプロボクサーへ成長する樽崎を好演。
そして小川を演じた東出昌大よ!ちょっとびっくりしたんですけどあんな演技派でしたっけ?(いや、失礼は承知してます…)ここまでちゃんと役にハマってるのを初めて見ました。
タイトルBLUEは青コーナー(挑戦者)と言う事らしいです。作中では試合で負け続ける瓜田を中傷する意味でも使われていました。でも青コーナーにすら立てない人がきっとこの社会の大多数だろうと思う。
果たして瓜田は負け組なんだろうか。
カッコ良かったです。
快作だが地味だ。「聖の青春」を再見したい。
自分でも訳の分からない所でなぜか涙が流れる
アスリートとそうじゃない人との「何を大切にするか」の基準は違うのだなと感じた。
そして言葉ではなく、瞳や間合いで語るキャラクターたちの熱い人間性の様々な場面に、知らず知らずに涙が出た。
「なんで今自分は泣いているんだろう」と思うような場所で涙が出たのは多分初めてだ。
個人的にはチカは瓜田と結婚した方が絶対幸せだろうなと思う。
自分の感情を操れる・・・操って平静をなるべく保とうとしている瓜田は、他人に対して相当優しい人物だし、相当「大人」。
そして割と真面目な話なのに随所に噴き出す箇所が紛れており、特に時生君の場面にそれが多くうっかり声を出して笑いそうになってしまった。
まだこの映画は始まったばかりだし、また観るチャンスはありそう。きっと2回観ても泣けるところはやっぱり泣けるだろうし、1回では気づけなかったところも何か感じられるはず。
良い映画だった。
アンダードッグの衝撃から比したら・・・
笑顔の奥
三者三様のボクサーの生き様が、切実に伝わる作品でした。
連敗ボクサー瓜田役の松山ケンイチ、穏やかな笑顔の奥に様々な想いを抱えている、そんな表情や仕草など、自然で素晴らしい演技でした。
自信家の天才ボクサー小川役の東出昌大、テキトーな感じでボクシングを始めた楢崎役の柄本時生、小川に寄り添う千佳役の木村文乃も、それぞれに想いが伝わる演技で良かったです。
多くを語らずとも、表情や仕草で伝わる演技に、丁寧に表情や仕草を捉え伝える映像と、真摯なつくりの映画だと思います。
音楽は少なく、日常を淡々と見つめるような感じですが、緊迫感やユーモアが適度に織り込まれ、最後まで引き込まれました。
やはり、柄本時生の笑えるキャラクターが良いスパイスになっていると思います。
ボクシングに魅了されてゆき変化する様子にも、ぐっときます。
ラストは、なんというか、本当にじーんときました。
何とも言えない余韻が残ります。
複雑な人間模様を解りやすい物語にしてみせた佳作
相手選手と激しいコンタクトがあるスポーツでは、程度の差こそあれ間違いなくスポーツ禍が発生している。ウィル・スミスが主演した映画「コンカッション」では、アメリカンフットボールの試合で発生する脳震盪(コンカッション)によって、その後の人生に深刻な影響を受けた事例と、そういう事例を隠そうとしているスポーツ界を扱っていた。
公開の格闘技は、相手選手とのより強いコンタクトを目的とすることから、スポーツ禍の中でも特に「リング禍」と呼ばれている。それだけ事例が多いということだ。特にプロボクシングは、相手選手にどれだけ多くのダメージを与えるか、自分がどれだけダメージを受けないかを争う格闘技だから、必然的にリング禍が発生する確率が高い。
ボクシングは打たれないで打つ、または打たれる前に打つのが理想だが、彼我の差が大きい場合を別として、多少は打たれてしまう。そこで求められるのが打たれ強さと、相手選手の打たれ強さを超えるパンチの強さである。それに加えて長時間の試合を戦い抜くスタミナだ。この3つを極限まで高めるために、プロボクサーの練習は過酷を極める。試合の戦略を考えるのはそのあとだ。
さてボクシング談義はこれくらいにして、本作品だが、ボクシングの奥深さを上手に表現しつつ、ジムに通う人々の複雑な人間模様を解りやすく物語にしてみせた佳作だと思う。
ボクサー役の三人はいずれも引き締まった体つきで、役作りのためにトレーニングに励んだのだろうと推測される。特に松山ケンイチは、痩せこけているように見えるほど、ストイックに身体を絞っていた。あの顔と身体はもうボクサーにしか見えない。流石の役者根性である。演じた瓜田は、所謂ヤンキー上がりのボクサーとは一線を画す温厚な人柄で、格闘家に必要なある種の残虐さに欠けている。それでもボクシングを続けているところに、瓜田の心の闇がある。
東出昌大は複雑な人格を表現するのには向いていないが、思い込みの激しい単純な役柄は上手にこなす。そしてそういう役柄は大抵の映画に登場する。背が高くてスクリーン映えするから、今後もオファーが絶えないだろう。
柄本時生がよかった。劣等感と虚栄心と臆病さと図々しさがせめぎ合っているようなややこしい青年が、物語が進むにつれて徐々に勇気を得ていく様子を見事に演じていた。
脇役陣も例外なく好演。特にボクシングのシーンはリアルで迫力があった。松山ケンイチをはじめとする役者たちの頑張りに見事な演出が加わって、登場人物の心の機微が手に取るよう伝わる素晴らしい作品に仕上がっていると思う。
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