「ボクシングシーンは一見の価値あり。」BLUE ブルー はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
ボクシングシーンは一見の価値あり。
試合で勝てない青コーナーが定位置の瓜田。持って生まれた才能で日本チャンピオンまであと1歩の小川。バイト先の女子にモテたい一心でジムに入門した樽崎。
いつも周囲に気を配り博愛主義者のような振る舞いの瓜田。しかし好きな女性は後輩小川と交際中。更に才能で自分を圧倒的に凌駕する小川への心の内に秘めた嫉妬心。
その小川に唯一本音を漏らす場面。その静かだけど男臭いやり取り。同じ場所を目指したボクサー同士。そして同じ女性を想う男同士のお互いへの励ましのような掛け合いに聞こえて泣けた。
本来ならこの2人で話が成立しそうだけどそこへ樽崎が新しい風を吹き込む役どころとしていい味出してます。
松山ケンイチが真っ直ぐで柔らかな瓜田を、柄本時生がへっぴり腰からプロボクサーへ成長する樽崎を好演。
そして小川を演じた東出昌大よ!ちょっとびっくりしたんですけどあんな演技派でしたっけ?(いや、失礼は承知してます…)ここまでちゃんと役にハマってるのを初めて見ました。
タイトルBLUEは青コーナー(挑戦者)と言う事らしいです。作中では試合で負け続ける瓜田を中傷する意味でも使われていました。でも青コーナーにすら立てない人がきっとこの社会の大多数だろうと思う。
果たして瓜田は負け組なんだろうか。
コメントする