「まるで殺人描写礼賛映画」キャラクター odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
まるで殺人描写礼賛映画
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原案・脚本の長崎尚志さんはビックコミックスピリッツの元編集長だから本作の主人公の漫画の世界の表裏に精通していることが良く分かります。連続猟奇殺人犯と漫画家の因縁の慟哭をネチネチと2時間も描きます。
訳ありといえ顔の割れている殺人犯を捕えられない警察の無能ぶりは酷過ぎます、次々と子供たちまでもが殺される猟奇殺人現場の描写は正視に耐えません。
挙句にひ弱な老人に精悍な若手刑事までもがやられるのでは我慢も限界、素性も割れている犯人も逃亡中のまま、最後に登場かと臭わせるあたりはスリラーとしては絶妙ですが、指名手配ってそんなにざるなのか・・。
人が善すぎて悪人が描けないと悩む主人公、一見優しそうな青年やひ弱そうな老人が恐るべき殺人鬼という設定も嘆かわしいことに最早ありきたり、犯人の如何わしいコミューンでの生い立ちが性格を歪めたように設定されますがカルト教団がらみの暗殺事件が実際に起きていますからフィクションとも言えない怖さがありますね。
主人公は善が勝って悪が滅びる綺麗ごとが成立する漫画を愛していると言っていましたが、作品は真逆な印象、下手をしたら本作を見た模倣犯さえ出かねない度を越した殺人描写や犯人の扱いは如何なものか・・。
サイコサスペンスではありますが単なる異常者が闊歩するだけ、デスノートのキラとエルの頭脳戦のような遊びが欲しかった。
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