「表現とリアル」キャラクター よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
表現とリアル
クリックして本文を読む
本当に永井監督はどこまでいくんだ。
そう感じさせられた本作だった。
もともと永井監督作品は帝一の國から始まり恋は雨上がりのようになど全てジャンルが違う映画でしかもそのどれもが面白い良作ということで凄い人だなと思っていたが、まさかサイコスリラーでも成功を収めるとは。
正直な話今年見たどのホラー作品よりも怖かった。
双子の伏線や4人家族という伏線は正直あからさまな気がするが、あからさまだからこそ「あぁ来る来る来る」という緊迫感が凄まじかった。
序盤から息もつかせぬ展開で後半までダレることなく物語を進めたのも見事。
テーマ云々抜きにして楽しめる映画だった。
その上でクライマックスシーン、主人公が両角を刺すうちに何かに目覚めるところなんかはゾクゾクした。
漫画のラストのコマとお互いが入れ替わっているのも実は殺人を表現するものと殺人犯は裏表なのではないのかというようでかなりパンチのある画面だったと思う。
ただ、最後事件はまだ終わっていないかのようなカットが挟まっていて後味は悪め。
もう少し後味良くスッキリ終わらせても良かったのではないだろうか。
Fukaseさんの演技が最高。特に4人家族に車に乗せてもらった後の会話なんか気味悪さ満点でいつ刃物を出すのかと見事にドキドキした。
こういった緊張と緩和がとても上手かったなぁとも思う。
ギリギリ劇場で見れて本当によかった。
コメントする