「さすが、Fukase!」キャラクター のりたまさんの映画レビュー(感想・評価)
さすが、Fukase!
最初から映画の世界に引き込まれました。まるで神の視点で舞台をみているような臨場感がある映画です。
息をのんだのは、2回。
1回目は、真ん中らへんで一番好きな登場人物が亡くなるところ。心臓がジャンプして、思わず声が出そうになりました。
2回目はクライマックス。出産経験がある人なら、「やめて」と思うシーンがあります。目をつぶりました。
俳優陣も豪華で、皆さん好演されていました。その中にミュージシャンFukaseが入ることで、社会の中で浮いている両角の異質さをよく表していたように感じました。
Fukase、似合うなあ、こういう役。「人を殺すのって疲れるんだよ。その後、2日寝込むんだから」と自らの連続殺人事件のシナリオライター(と両角が思っている)山城に文句を言うシーン、好きです。
私たちは、生まれてから死ぬまで、毎日の暮らしの中で、色々なキャラクターを作って、演じて、生きています。家庭で、学校で、職場で、地域で、社会で、学びながら、失敗しながら、修正しながら、苦労しながら☆両角は、ひとつしかキャラクターを持っていなかったんだなあ…子どものころのまま、時が止まった青年なのだ。日本にこういう青年は増えている気がします。
エンドロールで、私も4人家族だと気づいて、ゾクリ。2年前に観た「ジョーカー」を思い出しました。
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