「共作と共犯」キャラクター ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
共作と共犯
スプラッタは苦手だけど、評価がけっこうよいので見てみた。恐れていたより、凶行そのものは描かれなかったので安心した。でも血はすごかったな。子供が殺されるのはやっぱり嫌な気持ち。
演技が初めてというFukaseさん、ふんわりした雰囲気なのに、ザワつく感じがよく出ていた。これからも映画やドラマにチャレンジしてもらいたい。彼はがんばっていたので台本に言いたいが、両角の生育環境はもう少し掘り下げて欲しかった。宗教的コミュニティで育った→異常者と簡単に流さず、どれだけ社会から見捨てられてきたか、孤独だったのか、住んでる部屋だけで示すのではなく、1カットでも2カットでもいいから見たかった。新聞記事用に写真は撮ったんだから、ついでに子役で撮影しておけばよかったのに。あと、辺見との関わり。辺見は本当は両角だよね。元の辺見は誰で、どうなったのか。裁判での供述で終わり? もしかして続編ありき?
菅田将暉は漫画を描くシーンが様になっていた。だけど、ずーっと鬱々として暗かったねえ。なんで自分に不向きなジャンルにこだわるかな。もっと描けるものに取り組んでみたらいいのに。どうもこの主人公の行動には感情移入できない。「いい人」と評されてたけど、ただ弱いだけなんじゃ…? 何の罪もない人々と、職務熱心な刑事を死なせた一因なんだけど。両角を共作者と言うなら、山城は間違いなく共犯者でしょう。犯罪に加担したんだから逮捕されるべきなのに、ずいぶん警察も生ぬるいよなあ。
漫画については、本職の絵を使っているから、見応えがあった。アナログもデジタルも両方見られて、機材や資料が並ぶプロの部屋をのぞけた感じ。でも、鉛筆の下書きなしの真っ白な顔にペン入れるって、そりゃないでしょう。Eテレの「漫勉」でも、そんな描き方してる漫画家さんはいなかったよ。ちょうどこの映画を見て帰宅したら、「漫勉」の放送日で、押見修造の回だったが、「漫画がなかったら自分は危ない人間だと思う。漫画があって良かった(要約)」と言っていた。実際の漫画家でもそう思ったりするなら、山城も本来危ない人だったんだと納得することにした。グッドタイミングだったよ、Eテレ。
ブツブツ文句は書いたけど、俳優の演技は良かったし、テンポもいいし、Fukaseさんも手がけたという美術も良かった。「帝一の國」は好きなので、どこか浮世離れした世界なら楽しめたと思うが、殺人事件を扱うのでつい整合性を求めてしまった。まあ、エンタメ作品としては、上出来な部類ではないかと。
ぷにゃぷにゃさん、ブロミッシングにコメントありがとうございます。「さよなら渓谷」知りませんでした。映画にもなっているんですね。教えて頂きありがとうございます。
ぷにゃぷにゃさん、たまたま見ました!「漫勉」!よくわかりやしたー!漫画にまるで関心も知識もなかったので、ほー!と面白かったです。ちなみに今回見たのは押見さんです。彼の「血の轍」読みたい。読者が男性、女性では異なるかな?どうだろう?大昔の漫画しか知らないのでワクワクしました。ぷにゃぷにゃさん、ありがとう!
ぷにゃぷにゃさん
コメントへの返信有難うございます。
映画監督、確かに賛辞ばかりではないでしょうから🤔
惚れ込んだ役者さんが演じる姿を作品に残せる喜び、多くの苦労を超えるものがありそうですよね。才能って凄い✨
ぷにゃぷにゃさん
重大事件にも拘らず警護が手薄過ぎる点など、気になる箇所は有りましたが、役者さん達の熱量、おどろおどろしいストーリー展開、菅田将暉さん演じる山城が抱え続ける苦悩、徐々に人生を狂わされて行く様に、ラスト迄目が離せませんでした。
続編が有るかも…ですね。