「圧倒的な演技と演技のぶつかり合い」キャラクター Leoさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な演技と演技のぶつかり合い
ホラーもグロも少々苦手なのですが、どうしても内容が面白そうで意を決して映画館に足を運びました。
主人公は菅田将暉さん演じる売れない漫画家山城、彼はとあるアシスタントの仕事で足を運んだ民家でたまたま殺人事件に遭遇してしまいます。
そこで目撃してしまったFukaseくん演じる猟奇殺人鬼両角に触発されて漫画「34」を描き、殺人鬼「ダガー」を生み出します。
あれよあれよと売れっ子になってしまった山城。しかし、彼の漫画を模した連続殺人が次々と発生して…。
と、そんなあらすじなわけなのですが。
とにかく、殺人の描写が痛い痛い!遺体の描写もグロい…。
なかなか直視するには辛い場面も多々あったのですが美術さんたちの圧倒的こだわりを感じました。
特に、山城の仕事部屋、両角の自室は圧巻です。
綿密に作り込まれていた観ていて惚れ惚れするほどでした。
そしてなんと言っても菅田×Fukaseの演技のぶつかり合いが凄まじい!
菅田くんは何を演じさせてもとにかく凄い!(語彙力が欲しい…。)
冴えない役ではじまったのに、心の機微が表情、仕草、立ち方、あらゆるところからこぼれ落ちてきて漫画家「山城」の葛藤と覚悟が
ヒリヒリと伝わってきました。
ぽろっと涙をこぼすシーンは胸が苦しいのなんの…!
しかし最後の両角との戦いで見せる狂気的な瞳と表情はまるで別人のようで凄まじく鳥肌立ちました。
Fukaseくんは本当に初演技なの!?と、思わずにはいられませんでした。
ちょっと幼さの残る高い無邪気な声。
狂気を感じる瞳と笑み。
ゆらゆら揺れる肢体と血飛沫に濡れる頬。
殺人鬼、ダガーそのものでゾクゾクしました。
これから普通の目でFukaseくんのこと見られなくなっちゃう!と、思うほどに素晴らしかった。
あと個人的には小栗旬さん演じる清田にやられました…。
罪の声を観たときも思ったんですけど、ああいう人の心を優しくほぐしてくれる役、めちゃくちゃあってるなぁ〜…。
すっごく優しい声色と表情。言葉選び。まっすぐさ。
だからこそ、だからこそ!!
山城が新しい作品を世に出したときは隣で読んであげて欲しかった…!
なんでだよぉ…清田…!
ラストもなんだかちょっぴり不穏で、あの刃物の音は何なのさ!
終わったあとしばらく放心状態でした。
グロい残酷描写苦手な人にはちょっとおすすめしづらいのですが、ストーリーのハラハラ感はハンパじゃないです!
息が苦しくなるほどずーっとハラハラドキドキしながら見てました!!笑
俳優さん達の演技と演技のぶつかり合い!ぜひ観に行ってください!!