「話を創る側のカルマ」キャラクター kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
話を創る側のカルマ
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自分のする話をなんとか面白くしようとする友人がいる。そのこと自体は悪いことではないかもしれない。でも、自分の周りで起こることをネタとして使えるか使えないかを判断したり、なるべく面白さが伝わるように情報操作(話を盛ったりするアレ)したりするのは困ったもんだ。
だから殺人鬼の顔を見たのに警察に言わずに漫画のネタにする主人公を見て、友人を思い出してしまった。話を創る側が抱えるカルマみたいなものかもしれない。脚本書いたのが漫画原作でも有名な長崎尚志だから、そんな展開になるのも納得だ。
緊迫感もあるし、Fukaseの演技も悪くない。サスペンスとしてレベルの高い話だった。後半ではあったが、サラッと小栗旬を殺すあたりは潔い。ただ、生まれる子どもが双子だと知り、妻を守るために自分のマンションに戻るとき、警察を一人も連れて行かなかったのは矛盾を感じる。最後も捕まっていないオジサン殺人犯が妻子を狙っているらしきラストだったが若干分かりづらかった気がする。気になったのがそれら些細なことだったくらい面白かったということか。こういう日本映画もなかなかいい。
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