劇場公開日 2021年6月11日

「複雑怪奇に絡んだ謎を多角的に解く気味悪さ、ゾッとしてヒリヒリするエンタメ」キャラクター たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0複雑怪奇に絡んだ謎を多角的に解く気味悪さ、ゾッとしてヒリヒリするエンタメ

2021年6月15日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

もう少し先でいいだろうと思っていたら、評判が良かったので、思いがけず観てみたら、良作だった。

起が割とサラッとしているので、あれ?とも思ったのだが、山城が観た事実を描いたことから始まるので、問題なし。漫画とサイコパスの共犯関係から始まる、漫画の恐ろしき世界。因果関係をチラつかせつつ、どう転がるか分からない重層的なシナリオがグイグイと作品をリードする。最後の気味悪さは好きっちゃ好きだけど、時間がたった今、画が強かったことに気づく。ちょこちょこ疑問点が湧いたりしてきて。
キャストがいいと思った理由は、やっぱり配役が効いていること。小栗旬も刹那に放つオーラが異質で、菅田将暉に聞き出す時の空気感が凄い。それでいながら、あの使い方をするのも個人的にはグッとくる。ちょっとあの設定は要るか怪しいけど。また、fukaseが唯一無二のはまり役。この人いなかったら、間違いなくもっと評価は低いと思う。しかも、作中のアートも手掛けちゃってるし、マルチな才能が作品に華を添える。こうした歯車が噛み合って、巧みに機能した点は大きい。あと、見上愛がスクリーンで観れたのも嬉しい。

もう少し掘ってほしい部分もあったが、これだけ張り巡らされたトリックや謎を多角的に解いていく魅力が堪らない。今年の映画ダービーに名乗りを上げる良作。

たいよーさん。