「白、黒、そして血の赤」キャラクター Kikiさんの映画レビュー(感想・評価)
白、黒、そして血の赤
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わたしは怖い映画は苦手ですが、ギリギリ見れました(笑)
ただ怖さを売りにしたような作りではなく、脚本もおもしろくて、それぞれの演技も良かったです。ラストシーンのみ、あえてではあるのでしょうけれども、未回収感がやや残りました。
無戸籍児だった彼が、「共同制作」したキャラクターにアイデンティティを見出しながらも、最後まで名前が与えられなかった悲しさ。
作品の中で自分を発見し、世の中に居場所を見つけたと思ってしまったこと、そうさせた過去。
その全てが悲しく、殺人鬼に被害者性を持たせていました。その過去を持つ子どもがそのまま大人になってしまった怖さを、Fukaseさんが余すことなく表現されています。「かわいそう」だと思われないために、思わないために、笑う。
印象的だったのは、色でした。
菅田さんの衣装は、殺人鬼本人と出会う前や、意志を持ち心を引き離した時には白い服。
殺人鬼と心が近いときには黒い服。
漫画のモノクローム。
そしてどす黒い赤い血。殺人鬼の家の赤。
ぬるりとした血の感触やナイフの音など、細かな演出が行き届いた、こわ面白い作品でした!
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