「いい奴には悪い奴は書けない」キャラクター フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
いい奴には悪い奴は書けない
漫画家が殺人鬼を書く話
旬な俳優を使ったサイコスリラーってあんまり記憶無いけれど、いい映画だったなと思うのは少ない。
俳優のイメージとか有るしあんまり攻めれない(残酷性や猟奇性)印象がある。
記憶に有るのだと「ミュージアム」「三角窓の外側~」位かな、どっちもあんまり面白くなかったけども。
韓国映画はこの手のジャンルが得意だから名作は大量に有るけれど日本の作品って少ない様に思う。
そんな事を考えつつあんまり期待せずに鑑賞。
予想を超える程の残酷も猟奇もなく、いたって普通の映画でしたね、まあ強いて言えばFukaseさんの殺人鬼演技はよかったです、めっちゃキモかった。
SEKAI NO OWARI はドラゲナイくらいしか知らないしファンでも何でもないけれど、彼の挙動不審さはよかったですね。
内容は予告編でほぼわかるし、落ち的なものもパッとしない。
「貴方が深淵を除いている時、深淵もまた貴方を覗いている」
「怪物と対峙する時は自らも怪物にならなければならない」
使い古されたテーマだけれど誰もが大好きなテーマ。
これをどう観客に共感させるかがそれぞれの作品の勝負所だと思うけれど、本作は共感とか新鮮味などは感じ取れなかった。
幸福な4人家族って設定はよかったですけどね。
あと漫画の絵は綺麗、普通に読みたくなりました。
漫画のダガーはめちゃくちゃカッコよかったし魅力的だったけれど、Fukaseさんのコートにジャージ姿はダサかったね。2次元の壁かこれが…。
最終的に「お前誰だったの?」ってなるキャラは「セブン」のジョンドゥや「ダークナイト」のジョーカーと言った最高の先人がいるので、ちょっと本作は弱かったかな。
ほかの作品と比較したらダメかもですがどうにも猟奇成分が足りないし、後味もっと悪くないと記憶に残らないよ。
ちょっとジャンル違うかもですが「ヒメアノ~ル」の森田剛とか「葛城事件」の三浦友和のが心に刻まれるくらい強烈だったなぁ。
役柄とかじゃなくて見せ方がよくなかったのかも、青春映画の「ブレイブ 群青戦記」ですら殺害シーンやら指が切り飛ばされるシーンあが有るというのに、サイコスリラー押してる本作はそこらへんの表現日和ってたし。
この作品は別にグロとか売りにしてねぇからと言われればそれまでですが、サイコスリラーにグロは付き物だし、血だらけの遺体並べた位じゃあ物足りないとしか言いようがない。
もっと心に不快な恐怖をくれ!お洒落にまとまったサイコスリラーなんて毒にも薬にもならないよ。
なんだか書いていて自分が怖くなってきた、グロが足りないとか猟奇成分が足りないとか…
怪物になっていたのは私の方だったのか…
怪物になっていた私の戯言ついでに言わせていただくと、ラストバトルで高畑充希のお腹を刺してれば後味わるくて嫌な感じで記憶に残ったかも。
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劇中セリフより
「二晩くらい寝込んじゃうんだよ」
どんなことにもエネルギー消費はあるけれど、こんな体力の消耗は絶対ヤダ。