劇場公開日 2021年10月1日

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「わたしは“え”きだよ、この“す”いが」TOVE トーベ デブリさんの映画レビュー(感想・評価)

わたしは“え”きだよ、この“す”いが

2021年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シンプルに恋愛の映画だった。議員を誘って不倫するぐらいまでの序盤は、トーベが自由奔放で強くて、こっちからは憧れて見上げる感覚だったけど、ヴィヴィカに出会ってからは毎分、彼女は高度を下げてきた。恋する人の気持ちは古今東西たいして変わりはないってことだと思う。

でも、煙草と酒とパーティーと濃密スキンシップがたっぷりで、今年観ると光り輝いて見える。それに、自分と彼女をトフスランとビフスランにして表すトーベがかわいいし、トフスランとビフスランがかわいい。

洋服や室内にある小物やセリフがおしゃれなのも期待通り。別にトーベやキーパーソンがここぞで言うセリフに限らず、トーベと父親が口論になると「コーヒーはケンカの後にする?」とやんわり止めにかかる声があったりとか。自分の恋人が同性と寝たと聞かされて「本気じゃないんだろ?」を「君は自由を試したんだろ?」と換言したり。

パーティーの夜にバルコニーの手すりの雪の上にグラスを置いてダンスするのもよかった。女ったらしのブルジョワ演出家・ヴィヴィカの髪型もよくお似合いで。あと、フィンランドの人の名前ってみんな神様の名前みたいでかっこいい。

スローモーションになったり、セリフや動きがないシーンがあったり、時間の使い方もフィランドっぽい気がした。フィンランドがどんなものか、本当はよく分かってないけど、これフィンランドっぽいなと思うものは、ニアリーイコール好いたらしいもの。

デブリ