約束の宇宙(そら)のレビュー・感想・評価
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静謐な中に弛まぬ強さがある。
一人の女性飛行士が、宇宙へ飛び立つまでのカウントダウン。そう書くと、誰もがドラムロール鳴り響く「ライトスタッフ」的な作風を想像するはず。だがいざ幕が上がると、そこを吹き抜ける風も、充満する空気も、鼓動の速さも、それとはまったく違った。もっとダイナミックかつ華やかなドラマでも良かったのではないか、そう思ったりもしたが、すぐに思い直した。これはこれで秀逸。母と幼い娘それぞれの生活を交互に捉えながらじっくり醸成されていく心理模様は、とても静謐な中に芯の太さがある。精神的な力強さがある。特に、母娘がガラス越しに別れを告げる場面では、打ち上げの瞬間以上にグッとこみ上げるものがった。一つ書き添えるなら、過去にヒロインが実母を亡くしているという設定もまた多層的な深みをもたらす重要なポイントと言えるのだろう。そしてエンドクレジット、歴史に名を刻んだ”母たち”の姿に、私は感動の涙を抑えることができなかった。
夢追い人の苦悩
小学生の娘を抱える女性宇宙飛行士サラの冒険と葛藤の日々を追ったドキュメンタリータッチのヒューマンドラマ。映画の殆どはスターシティと呼ばれるロシアの訓練センターでの過酷なトレーニングの様子を描いている。彼女は宇宙飛行士になることが子供のころからの夢と語っており娘を別れた夫に託し着々と夢の実現に歩を進めている、それでも娘のことが気がかりなのは母親としての母性本能なのでしょう。
女性を下に見るアメリカのパイロットも出てきて、まだまだ女性が宇宙に進出するには壁があることも描いているが、大体は想定内。
そんな苦悩する母親のヌードシーンなどなぜ3回も入れるのか不可思議だが真の女を描きたかったアリス・ウィンクール監督はデビュー作の『オーガスティン』以降も女性の持つ官能性に重きを置いているのでしょうかね、フランス人らしい。
特に事故も事件も起きず淡々と進む話、ロケットの発射はラスト8分前まで待たされます、何を描きたかったのかよくわからなかったがエンドロールで実際に宇宙に行った9人の女性と子供たちの写真が紹介されます、そうか彼女たちへのリスペクト映画でしたかと納得・・。
母の愛…
宇宙飛行士の宇宙船内での話ということではなく、飛び立つ前の母娘のストーリー。女性、母親としての立場で宇宙飛行士になることの苦労、軽い障がいを持ち、ただでさえ離れ離れになることの不安がひしひしと伝わってきて、ハードなトレーニングと共に精神的にも追い詰められていくのがわかる。エンドロールで過去の女性宇宙飛行士が家族とともに紹介され、それぞれ相当の苦労があったのだろう。エヴァ・グリーン、子役共に素晴らしい演技だった。
そんな所に何しに行くの?
宇宙と言っても地球の上空な訳であり、そんな所に行く意義がいったい何処にあると言うのだろう?今は高学歴じゃないと行けないとか言った条件があるようだが、最初にそんな所に行った生き物は犬である。しかも、帰って来れなかった。そんな犬の代わりに一生懸命勉強して、行こうとしている。なんか乱痴気騒ぎしている様に私は思う。
宇宙なんてただの真空空間。死の世界だと私は思う。それを踏まえた上で、かけがえのない地球の存在感を知るべきだと私は思う。そうでなかったら、地球温暖化対策なんて荒唐無稽だと思う。
この映画見るのは良いが、是非、犬は○わない
の様な映画を見てもらいたい。
追伸 宇宙に知的生命体がいる確率はほぼ0であり、出会える確率も0であり、ましてや、こんな病める地球に知的生命体がやって来る確率は絶対に0である。だから、我々には地球しかないのである。フェルミのパラドックスで検索した本を読む事をおすすめする。かけがえのない地球を大事にしたいと思うはずだ。子供を犠牲にしてまで、そんな所に行く気にはなれないと思う。
また、無駄な時間を過ごしてしまった。日本の映画は面白くなくなったと言うが、外国の映画も面白くなくなった。映画自体が地盤沈下しているのかもしれない。と思う。
自覚がないようだけど普通の出張とは話が違う
映画「約束の宇宙(そら)」(アリス・ウィンクール監督)から。
解説に書かれていた「シングルマザーの宇宙飛行士と
幼い娘の愛と絆を描いたドラマ」そのものだった。(汗)
フランス映画なのだが、フランス国内の評価が気になる。
欧州宇宙機関のミッションクルーに選ばれた時、
「特別なミッションへの参加をとても誇りに思います」
彼女は、長年の夢が実現し喜んだけれど、関係者の1人が
冒頭、彼女にこんな言葉をかけられている。
「自覚がないようだけど普通の出張とは話が違う、
わかるでしょ。地球を離れるんだもの」
まさか、最後の最後まで、宇宙飛行士に選ばれたという
自覚がまったくなかったのは驚かされた。
訓練に遅刻はする、訓練でパニックになったり、
注意されれば、感情的に言い返したり、
「一度くらい平気よ」と規則違反を平気でする。
最後は、冗談でしょ?と思えるとんでもない行為まで。
子供と離れるのが辛くて涙するくらいなら、
最初から、宇宙飛行士は無理だろう・・と、
たぶん、多くの人が思ったに違いない。
設定が面白かっただけに、残念な作品だったなぁ。
この世に「母娘の愛」に勝るものはない・・(笑)
3人乗りロケットのガバガバSequrityツアー
イヤ、あかんでしょ。それは。いろんな意味で。まずいでしょ。バレるとかバレないとか言う以前の話として。などと。ノミの心臓のワタクシ的には、冷や汗もんでしたが。ヨードで身体を洗えば良いってもんじゃないってw
バレれば全ての苦労が水の泡なんだけど。母親として「約束を果たす事」は、サラにとって、そのリスクに見合うものだったと言う物語り。
エンドロールでは、歴代の女性宇宙飛行士が紹介されます。1.5Gで、間違いなくゲボゲボになってしまうだろうワタクシにとっては、皆さん偉人ですよ。そうですよねー。皆さん、あの、軍隊以上に過酷な「訓練と言う名の人間耐久」を乗り越えて、宇宙に飛びたったんですよね。母親としての重労働も抱えながら。
改めて、彼女達の偉業に敬意を表したいと思います。
しかしロシアの宇宙センターはカザフスタンかぁ。遠いねw
感染症対策が台無し
欧州宇宙機関で日々訓練に励むフランス人宇宙飛行士サラ(エヴァ•グリーン)は夫と離婚し娘ステラと2人で暮らしている。長年の夢が実現しミッションのクルーに選ばれたが、宇宙へ旅立てば約1年間、娘と離れてしまう。さてどうなる、という話。
最後の隔離期間中に、それも発射前日にルール破って子供と会っちゃいけないでしょ。今のコロナ禍でこんなの見せられたら自分勝手な女と違和感しかない。
もし何らかのウィルスや菌を宇宙船に持ち込んでたらどうなるんだ?シャワーで流せばいいってもんじゃない。
タイミングも悪かったのかもしれないが、こんな自分勝手な宇宙飛行士はダメです。
子供との葛藤やエヴァ•グリーンの綺麗なシャワー姿など良いところも有ったが、最後で台無し。
残念だった。
母も娘も成長し続ける美しさ
非常にマニアックな作品であった。タイトルに宇宙という言葉があるが宇宙に飛び立った後の描写が主ではなく、主人公のサラが宇宙飛行士として宇宙に飛び立つメンバーに選ばれ、宇宙に飛び立つまでの訓練を描いた作品である。
宇宙飛行士の訓練姿はなかなか目にする事なかった為新鮮味はあるが中々マニアックに感じた。
ただこの作品は宇宙飛行士としての訓練だけを描いたわけではない。サラには一人娘のステラがいる。関係性は悪くないとは言え旦那とは離婚しシングルマザーである。その為宇宙に飛び立つ際は娘と一時的に離れる必要があり、その際は別れた旦那に預ける必要がある。
自分の夢を実現する強い欲と母親として娘を想う強い気持ちが中々一つになれない葛藤を描きつつ、母親としてもそして宇宙飛行士としても成長していく姿が美しく描かれた作品である。
そして同時に娘のステラもまた吃音症や算数障害等病気を抱えながらも少しづつ克服しようと努力し母と同じく成長していく。
母と娘が互いに想い合いそして互いに成長を綺麗に描かれていた。
ただ中盤は訓練描写が非常に長く続く。この辺は非常にマニアックな描写に感じ少し眠気が強く現れたかな。
あと最後の宇宙に飛び立つ直前に衛生面を考慮した隔離措置が取られてるのに破るのは現実的にも問題ないのか…その辺は気になってしまった。
エンドロールでは母親宇宙飛行士達が紹介されていた。強い女性は美しいものだ。
宇宙に憧れて…苦悩を越えてゆく
シングルマザーの宇宙飛行士…今まで無かったストーリーに臨んだエヴァ・グリーンのしなやかで柔らかな肉体に魅了されました
主人公サラは7歳の娘を元夫に預け男社会の中で厳しい訓練を受けなくてはならない…
プレッシャーやストレス、娘に会ってあげられない罪悪感…
完璧な宇宙飛行士も母親もどこにも居ないと
人間味溢るる生き様に心突かれましたが
サラが娘思うあまりにしでかした行動は首を傾げるばかり…「約束」ストーリーとしては必要だったのだろうけど
あれは減点対象…💦
父親(しっかり父親出来る人じゃないですか!)
と暮らす娘も又、環境の変化や母親に会えない寂しさから不安定になってしまう
そんな難しい役を綺羅星の如く演じたステラ役のゼリー・ブーランレメルちゃん!出来過ぎ!
物語に優しく穏やかに寄り添う坂本龍一さんの旋律にも包み込まれました🎵
サラの上司役マット・ディロン…歳を重ねてもクールさとイケメン度は無限大❤️
親娘揃って遅刻しがち(笑)
フランス映画とは知らずに観始めてしまったので心の準備ができていなかった。最近はハリウッド作品に慣れてしまっていたので、こういったモヤッとした流れに少し戸惑ってしまった。ところどころに伏線のような物、例えば傷がなかなか治らないとか、訓練中に失神したりとか、サラの代役がスタンバっていたりとか、隔離施設を抜け出したりとか、勿論娘に会いたい気持ちとか、つまりどんでん返しで宇宙行きが土壇場でなくなってしまうのではないかと思うとちょっとイライラした。伏線じゃなくてスパイスだったのね。
最後のバスの中から眺める野生の馬の群れのシーン。どういう意味があるのかなぁと一生懸命考えたんだけど分からなかったんだけどパンフレットに書いてあった。監督曰く「ステラにとって馬は母の腕からの開放を表している」とのこと。そんなの分かりませんがな。
ステラがロケット発射の時に母との日常の中で慣れ親しんだカウントダウンをするシーンが良かった。あと舞台がNASAじゃなくてロシアの宇宙関連施設というのも新鮮で良かった。あとサービスカットも良かった。
後半から急に冷めた
訓練施設に子供入れたらあかんでしょ。
あと、打ち上げ前夜にあれはない!!
抜け出して外出???
隔離してる意味わかってます?
同乗するクルーのこと、考えてます?
これバレたら大問題だよ?
と、
国をあげての宇宙計画に選ばれた、という自覚があるのかな?と、
彼女の自分勝手な行動にイライラして、素直に見れませんでした。
ガッカリ…
決まりの守れない宇宙飛行士…
もう、途中で興醒め…
こんな人とミッション組まされるチームの人はたまったもんじゃない!
きっと火星に行く前に事故死は確実。
せっかく面白そうな映画だったのに…
終盤のアレでそれまでの良さが無に
序盤から中盤は、暗に女には無理だと言いたげな他の飛行士たちのマッチョイズムや、仕事と子育ての両立の大変さを描いていて、なかなか良かった。だが終盤、主人公は打ち上げ前の隔離場所を抜け出し、子供に会いに行ってしまう。なんだこいつ・・・自分のエゴのために、同僚を危険に晒すバカなやつだったんだ。あんな行動を取るなら、ロケットに乗るのは辞退しないといけないよ。エンドロールで各国の女性飛行士たちが出てくるが、もう主人公のバカさ加減にどっちらけでしたわ。
ファンタジーな部分で興醒め
子どものいる複数の女性宇宙飛行士をモデルにした話。
シングルマザーの直面する、子育てと仕事の両立の難しさという普遍的なテーマであり、親娘それぞれの成長を描くと言ってもいい。
そのあたりに一番の尺を割いているのだが、個人的な本作の見どころは、欧州宇宙機関(ESA)が協力しているため、トレーニングの施設や小物に、本物が使われているってこと。
無重力水中トレーニング用宇宙服の構造とか、ソユーズの格納庫とか、バイコヌール宇宙基地とか。
一種のお仕事映画みたいな感じな部分が楽しかった。
だが、宇宙へ病原菌を持ち込まないために隔離期間を設けていて、セキュリティはかなり高いはず。
そこを娘に会うために抜け出してしまうのは、創作の脚本とはいえありえない。
施設を出た瞬間に、他のクルーに交代のはずなので、そこはファンタジーと思ったし、リアリティの面で興醒めしてしまいました。
楽しみにしていた宇宙映画をようやく鑑賞してきた! 一体どんな映画な...
楽しみにしていた宇宙映画をようやく鑑賞してきた!
一体どんな映画なんだろうかと、ワクワクしていたが、ハリウッド映画みたいなロケットを飛ばしたり(本作でも飛び立つんだけど)、宇宙に行って様々なトラブルに巻き込まれるといったCG満載の派手な作りではなく、宇宙飛行士として一時的(もしかしたら永遠)に家族と離れるリスクを負ってまで夢を叶える強い意志を描いた映画だと思った。
主人公のサラには娘のステラがいて、夫とは離婚している。不思議と夫との仲は悪いわけでもなく、3人で食事をしたりする。サラは子供の頃からの夢である宇宙飛行士に選ばれた。
この映画で、宇宙飛行士のこれまで余り描かれてこなかった事柄を知ることが出来た。
1つは宇宙飛行士はフランスでも宇宙飛行士は皆のヒーローであることだ。それは日本でもアメリカでも同じ訳だが。
2つ目は宇宙飛行士は出発までの2日間を無菌にするため隔離生活をすることだ。なので、娘のステラとは隔離生活に入るまでに会う必要があるんだけど、ステラが飛行機に乗れず会えなかった。周りの宇宙飛行士は家族などと抱きしめ合う中、サラは一人ぼっちだ。かわいそうだなぁと思っていると、遅れてやってきた娘とガラス越しに再会して、会えるんじゃん!と、切ない気持ちが消え去った。
3つ目は訓練内容だ。水中で模擬をすることはよく聞くし、実際に訓練の映像はあった。面白いなと思ったのは重力への耐久訓練だ。サラは時計の針のように部屋の中をグルグルと回る乗り物に乗って、8G,9Gを体感する。9Gの時に肋骨に気をつけろとか、これ以上は危険だとかのセリフから結構キツい訓練のようだ。サラも降車後に吐いていた。
4つ目は、宇宙飛行士がロケットに乗る時に沢山の人が集まっていること。宇宙飛行士がロケットへバスで移動するが、バスを見送る家族達やマスコミが沢山いたし、ロケットの所に到着してバスから降車しても沢山の人がいた。中には十字架を持った神父までいて、ロケット打ち上げが国中を上げた一大イベントなのだと思った。
残念に思ったのは、サラが宇宙への出発当日の深夜に隔離された部屋から抜け出して娘を連れ出してロケットを見に行ったことだ。この行為に疑問がある。なぜならプロフェッショナルではないからだ。なんのために隔離しているのか、ミッション失敗したに繋がったら?、と思うとサラの行動に共感できなかった。プロはプロであるべきだと思う。
良かった点は、ロケットの映像がリアルだったこと。飛び立つロケットも実際の映像なのかな?ロケットの後ろ姿は迫力があった。
あと、エヴァグリーンのおっぱいが3回見れた事笑。
最後、ロケットの打ち上げ成功は観客も祈ったのでないだろうか?無事に成功した時には映画の登場人物達と一緒に拍手したい気持ちになった。
【"自らの夢の実現と、愛する娘との暫しの別れの二律背反" 全ての働く母親は偉大であると言う事を再認識した作品。】
■感想<心に残ったシーンなど>
ー 女性宇宙飛行士サラを演じたエヴァ・グリーンの蠱惑的な大きな眼が、印象的である。
幾つかのエヴァ・グリーンの作品を観賞した際の彼女の眼は冷酷で、妖艶であったが、今作品では、悩める母親の揺れ動く感情を、あの大きな吸い込まれるような眼で見事に表現している・・。ー
・サラの七歳の娘、ステラ(ゼリー・ブーラン・レメル)の、母親を想う、時に憂い、時に約束を反故にされて怒り、時に喜びを満面に表した表情が、実に愛らしい。
・ステラは、一時的に引き取られた元夫トマスの家に移るが、”学校に馴染めない・・”とサラに電話を掛けてくるシーン。
ー 自分の夢を叶えるために、娘に辛い思いをさせてしまっている・・、という想いを吹っ切るように、過酷な訓練を自分に課すサラの姿。
何となく、全世界の働く母親の事が、ふと心を過る・・。ー
・チームリーダーのマイク(マット・ディロン)や、同じクルーであるアントンの、サラを何気なく気遣う姿も、良い。
ー マット・ディロン、どんな役でも出来る職人の域に達している気がする。ー
・エンドロールで流れた数々の女性宇宙飛行士とその家族の姿も、良い。
特に"アンナ・フィッシャー"さん。
・ステラとの約束を果たす為に、規則を破ってサラが打上前のロケットを二人で観るシーン。そして、サラが乗り込んだロケット発射の瞬間を母親と何度も暗唱したカウントダウンのセリフを呟きながら、観るシーン。
ー それまで、愛娘との約束を果たせなかったサラが、決意し娘を自分が乗るロケットを朝日の中、二人で見る。良いシーンである。ー
<無事に宇宙に向かって飛び立つロケットを誇らしげな表情で父親と観る姿が、印象的な作品である。
サラは、ステラや、別れた夫トマスの協力により、多くの葛藤を克服し、幼き頃からの夢を叶えたのだ。>
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