「【1000万ドルの価値】」カポネ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【1000万ドルの価値】
映画「アンタッチャブル」でもよく知られるようになったアル・カポネの逮捕容疑は脱税だ。
禁酒法時代に、密造酒を組織的に販売し、大儲けした。
他には売春や賭博なども組織化するなどビジネスマン的な才能もあって、大恐慌時代には、密造酒製造と販売で大きな雇用を生み出したことも事実とされる。
また、マフィアの抗争は、それまで銃でドンパチだったものを、機関銃を使用し極悪非道な一面も隠さず、ライバルや裏切り者を容赦なく打ちのめすやり方は、人々を恐怖に陥れた。
だが、この極悪非道なところは身代わりがいつもいて、証拠が掴みづらかったため、脱税容疑がカポネ潰しに使われたのだ。
(以下ネタバレ)
この作品は、出所後の梅毒の後遺症に苦しむアル・カポネの姿を描くと同時に、ファミリーや捜査官による(あるかないかも判らない)隠し財産への思惑も見え隠れしながら、物語は進行する。
ところで、アル・カポネに対する脱税容疑の裁判が始まったのは1931年だ。
亡くなったのは1947年。
1931年の1ドルを現在の価値に換算すると約17ドル。
1947年の1ドルを現在の価値に換算すると約12ドル。
捜査官の言う隠し財産1000万ドルを現在の価値に換算すると12倍から17倍と言うことになる。
現在は1ドルが約106円50銭だから、106.5円×1000万ドル×12〜17だから、まあ、確かに相当な金額だ。
映画では、湿った場所を掘れと言っていたので、紙幣ではなくないとすると金地金の可能性もあって、その場合、金の価格がどうなってるかも気になる。
まあ、見つかってないから分からないし、徳川埋蔵金みたいなもんかなとも思う。
豊臣秀吉も晩年は認知症で極度に疑り深くなって、判断力も衰えていたと言われているが、梅毒がきっかけで認知機能が衰え、脳卒中にもなって、周囲は、あるかないかも判らない資産目当てだったとすれば、アル・カポネが極度に疑り深くなるのも当然かもしれない。
まあ、抗争で直接、間接的に殺害された人の数を考えたら、因果応報ってことだろうなという気になる映画でした。