「ジャッキーはボスの役回り」プロジェクトV バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャッキーはボスの役回り
観る前は出来にあんまり期待してなかった。予告編をネットで観たらCGがね、どうも。スタンリー・トン監督のジャッキー映画は『カンフー・ヨガ』もいまいちだったし、それと似たようなテイストを感じたのだ。実際に観てみたら予想は半分当たってた。全体的なノリがまるで90年代の香港映画そのままで、そのコテコテの香港ノリがどうにもこうにも古くさい。CGの使い方もやっぱりなあ。アフリカのライオンやハイエナがCGで出てくるんだが、猛獣があんなに人に懐かないだろう。あと若手の命がけスタントにもCG使ってて(これが予告編にあったやつ)、CG使うくらいなら命がけスタントがそもそもいらんだろうと思った。
広東語吹替だったのもなあ。ジャッキー映画も近年はすっかり北京語が標準になったが、ファンの一部には「やっぱりジャッキーは広東語のほうがいい」という声があるらしく、それで今回は広東語吹替バージョンの上映になったようだ。でも僕は北京語とか広東語とかではなく、吹替がどうも……。口の動きと合わず不自然だし、ヒロイン役のシュー・ルオハンにアニメ声みたいな吹替あててるのもマイナス。
と、ここまでは貶してきたがアクションは良かった。銃撃戦に格闘アクションと息をつかせぬアクションの連続で、一部にびっくりどっきり兵器もありつつもそれも笑って面白がれました。今回のジャッキーは民間警備会社の社長で、アクションはちょこちょことはやるものの基本的には部下の若いもんたちに任せた『太陽にほえろ』のボスか『水戸黄門』の黄門さま状態(古い例えですいません)なのだが、その若手たちのアクションがなかなか良い。テレビドラマでも人気のヤン・ヤンら男優陣も良かったが、『カンフー・ヨガ』ではヒロインだった女優ムチミヤのアクションもかなりキレがありました。
しかし東京にコロナ禍の緊急事態再宣言で映画館に休業要請が出されたこともあり、緊急事態じゃない地元では公開されたものの客は僕1人でした。