ビバリウムのレビュー・感想・評価
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ホラーのくせに淡々としすぎてる
家を探していたカップルが案内されたのは、同じ形の家が並ぶ住宅地。そこから脱出できなくなった2人は赤ん坊を託され育てることを強要されるというシチュエーションホラー。
序盤は予告で観ていたレベルを超えず、しかも淡々と進むので眠気と闘うのに精一杯だった。しかも眠気に負けてしまったときもあったし。
冒頭でカッコウの託卵の映像が流れたのでそんな話なのかと思ってたら、そこからブレることはなかった。子どもの叫び声が不快というだけで全然怖くなかったのだが、唯一おっ!と思ったのが、家の前の縁石を持ち上げて地下に潜っていくシーン。あの不気味な感じは悪くなかった。やっぱり他にもそんな人がいたんだねと。ただ、それ以上に深まることはなく、あれが一応のクライマックスだったようだ。
ラストも妙な雰囲気そのままで悪くはないのだが釈然とはしない。それなりに面白そうだと思っただけに残念だった。
まさに都市伝説にありそうな映画
ストーリーとしては、ヨンダーと言われる集合住宅街に家を探しに物件を見にきたが、案内人が突然いなくなり、帰ろうとするが、一角が迷路のような場所で進めど同じ場所に戻ってきてしまいそこで起こる奇妙な体験を描いた作品である。序盤はpopなミュージックが使用され新たな生活に心を弾ませるような描写だが、取り残されてからは一変し一気に不気味な物語へと進んでいく。
みる人によっては、誰も救われないので胸糞映画と捉えられるかもしれないが、個人的にはハマった一作。
なかなか良い
突然奇妙な世界に放り込まれたら、きっと試すであろう様々なことを主人公たちも試してくれた。
終始不安を駆られながらストーリーは進み、飽きる間も無く終盤に差し掛かると一気に不気味さが増した。
美術的な面でもとても満足できた。
もし自分が主人公の立場ならと考えてはみたが、すぐに「殺める」手段を取ってしまいそうなので、そもそも選ばれもしないだろうと結論した。
オープニングシーンがしっかり結末に。
なるほどねー、そういう理屈なんだ、と。早々にこの空間から逃げ出せなくなるからどうつなぐんだろーと思ったけど主人公ふたりのじわじわくる静かな崩壊具合が怖い。えぐいシーンは全くないけどこの不気味さと結末までしっかりホラー。期待しすぎなければ満足できるはず。
【ゲームの世界に生きる】
なんか、ゲームの世界に生きるのは、こんな感じなんだろうなという気がする。
なんの気無しにゲームを始めて(モデルルームを訪ねて)みる。
目標(男の子を成長させる)を設定され、それを少しずつクリアしていく。
ふと疑問に思っても、もう止められない、止まらない。
どんどん深みにハマ(穴を掘っ)って、周りが見えなくなる。
本当は、自分の墓かもしれないのに。
確かに、ゲームの世界の何者か(子供)は成長するが、確かに、これは托卵のようでもある。
ジェマは、托卵は自然の摂理みたいに言ってたんだから、別に、本当の母親じゃなくても良いでしょって、後にマーティンになる子供が言ってる気がする。
それに、そもそも、後にマーティンになる子供の叫び声は、エサをくれと大声で鳴いているカッコーみたいじゃないか。
そう、ゲームの世界では、これが自然の摂理なのだ。
しかし、本当に成長しているのは、このゲームの世界を仕切ってる連中なんじゃないか。
肥え太るゲームの世界を仕切る連中。
ただ、ゲームの世界を仕切ってる連中だって、入れ替わる。
ゲームクリエーターなんて使い捨てかもしれない。
古いマーティンみたいに。
そして、痩せ細る殆どのプレーヤー。
そして、繰り返される。
賛否両論だと思うけど、皮肉たっぷりで、緊張感も続くし、僕は楽しめました。
本当は、不動産を巡って、翻弄される生活がテーマみたいなんですけどね。
新しい感覚のホラー
人間存在の意味を問うという新しい感覚のホラー映画である。次はどうするのか、主人公ふたりの選択をあれこれ想像しながら、面白く鑑賞できた。
序盤でカッコウの托卵のシーンがある。主人公のひとりトムが穴を掘って、落とされた雛を埋葬するのだが、それが何かのメタファーであることは薄っすらと想像がついた。
母性は少なくとも極限状況に於いては正しい判断の邪魔をする。特に人間の母性は動物のそれとは違って厳しさに欠けている。本作品でも主人公のひとりジェマの、おそらく母性に因すると推測される選択が、トムの行動を必定の方向に促してしまった。結末はメタファーの通りになってしまう。
ストーリーとしては一本道だが、元の世界と隔絶された、巨大な閉塞空間が舞台であり、主人公ふたり以外の人間との接点が皆無であることが、じわじわとした恐怖感を生み出す。変な化け物が登場するようなありふれたホラー映画よりもよほど怖い。
さらに怖いのが、変化のない毎日にただ年老いていくだけのトムとジェマの、人間としての存在意義の喪失感が引き潮のようにふたりからエネルギーを奪っていくことだ。熱気、活気、元気といった概念の対極にあるかのような底しれぬ寂寥感がふたりを包む。
リインカーネーションはホラー映画ではお馴染みだが、少なくともこれまでのホラーでは憎悪や怨恨といった動機も一緒に転生する。しかし本作品のリインカーネーションは何も継承しない。そこが逆に恐ろしい。人間は意味もなく生まれて意味もなく死んでいくだけなのだという知りたくない真理を事務的に開示されているかのようである。フランス映画みたいに哲学的な作品だ。傑作である。
アイデア100点だけど…
アイデアはとっても独創的で面白いのだけど、話の展開がエキセントリック過ぎて…
人類ではない何物かが、一体何を意図しているのかがイマイチよく分からない
冒頭で映し出されるカッコウの様に、他人に雛(子)を育てさせ、巣(家)を乗っとるという事が伏線だと言うことは分かるのだが…
非常に興味深い作品ではあったけど、観終わって何も残らない作品でもあったかな
穴掘り仕事
家から出られない理不尽ホラーかな?と思いきや、色々考えられてて面白い内容だった。
最初の不動産屋の案内人、表情とか大袈裟な話し方とか気持ち悪いな〜と思ったらなるほどそういう事かと見終わったら腑に落ちました。
あの子供もめちゃくちゃ不快に演出されてて叫び声とか聞いてるこちらもむかつきました。
大人になっても全然かっこよくない不快顔笑
ちょっとした後半のsf的な演出もよかったね。
ラストはちょっと理不尽でなんだか気の毒になる。
しかし穴掘った先には何があったんだ?
【正直な感想書きます】
最初の展開が早くて惹きつけられましたが、上映20分後から落ち手前まで、何も進展が見えない映画でした。
落ちの付け方も定番のパターンで、素人が作った映画みたいでした。
精神崩壊要素も映画途中でイラついてきます。。久しぶりに映画でお金無駄にしたと思いました。
内容も展開もオチも全て1つ星です。。。見た後の気分がすごく悪いです。
托卵(たくらん)を人類に置き換えた、こわ~い話。
「ビバリウム」(原題:Vivarium)。
とてつもなく気味悪いけれど知的な面白さがある。マトモな人なら困惑する映画だが、それは大自然に対する人間のエゴイズム(利己主義)なのかもしれない。
動物の托卵(たくらん)習性を人間に置き換えた実験的な作品。
新居を探すカップルのトマとジェマが、挙動の怪しい不動産屋に紹介された"Yonder(ヨンダー)"は、同じ形、同じ間取り、同じ色の建売住宅が並ぶ不思議な住宅開発地。案内された"9番の家"を内見していた2人が気付くと、近くにいたはずの不動産屋の姿が見えなくなっていた。
帰ろうとした2人がクルマを走らせるが、どこまでも続く同じ形の家。迷い込んだ2人が車を止めると再び"9番の家"の前。"Yonder(ヨンダー)"から抜け出せなくなったカップルの恐怖の生活が始まる。
毎日、食料や消耗品が入ったダンボールが家の前に届くが、いつ、誰が置いていくのかも分からない。そんなある日、ダンボールには赤ん坊が入っており、"育てれば開放される"の文字。
人間とは思えないスピードで成長していく赤ん坊に戸惑いながら、主人公たちとともに観客もどんどん精神崩壊の道連れになっていく。
この映画にフィクションとしての典型的なオチを求めることはできない。実際、先に述べたように単なる"托卵(たくらん)"の隠喩でしかないのだから。
"托卵(たくらん)とは、卵の世話を他の個体に托する動物の習性のことである。代わりの親は仮親と呼ばれる"(出典:Wikipedia)。
鳥類のカッコウが自分の卵をオオヨシキリの巣に托卵するようなもの。鳥類だけでなく昆虫や魚類でも同様の行為が見られ、自然界では特にレアケースというわけでもない。
自然界における人類は、動物の種のひとつに過ぎない。
もし人類に托卵を仕掛ける種がいたとして、それでも淡々と生活を続けるとしたら。
知恵を持つ人類は、"動物の頂点に君臨している"と勘違いしている。だから地球を汚し、傍若無人な行為に気をとめることもない。そんなことをこの作品は遠回しに警告しているのか。
カッコウの托卵については、"そういうもの"と理解してしまう割に、我々はこの作品の持つ隠喩に理不尽と思えるような混乱を受ける。
本気で、種の多様性を守るとしたら、すべての人間が生き残ることを前提とした自然環境活動さえも否定しかねない、こわ~いテーマだったりする。
(2021/3/13/TOHOシネマズシャンテ Screen1/G-10/シネスコ/字幕:柏野文映)
「怖い」ではなく「気味が悪い」止まり。でも及第点
ホラー映画の正解が「怖いこと」であるとするならば、この映画はギリギリ及第点といったところでしょうか
きちんと怖くて、なによりも気味が悪い
怖がりだった幼少期の自分が映画館で見ていたらおそらくトラウマになっていたことでしょう(笑)
とはいえ、あくまでも及第点。他の方もレビューしている通り、自分の想像を裏切ってくれないもどかしさや小道具・設定の説明不足による不完全燃焼を感じたのも事実です
それはさておいて、1番の謎はエイリアンはなぜあんなに回りくどい方法で子育てをしているのかです…
たどりついたらいつも9番
郊外の住宅地に内見で訪れた幼稚園の先生とプロの変人カップルが、住宅地から出られなくなると共に子供を託され暮らすことになる話。
ヘンテコ押し売り野郎な不動産屋に連れられてやって来た、遠過ぎず近過ぎず、ちょうど良い距離の郊外にある同じ形同じ色の家が建ち並ぶ他に誰もいない住宅地。
あらすじ、タイトル、冒頭シーンで何となく展開がわかってしまうなと思っていたら、もしかしたらミュータント?
追い詰められて、諦めて、変化をみつけて抗ってという中で疲弊していく様は、混沌としてはいるけれど、変化が少なくどこか淡々としているし、壊れるという程のものもなくて、イマイチ盛り上がらず。
目的らしきモノは一言語られるけれど、それだけじゃ話が合わないし、結局何だったのか良くわからず、短編か中編ぐらいならまだ良かったかも知れないけれど、ダルかった。
しかも98日でそこまでってことは、全部でどの位の話だったんだろうね。
不思議ちゃん。でも物語の主題の伏線ははられている。【更新してます 映画館で観たのは公開直後のだいぶ前です。】
ベルギー、デンマーク、アイルランド合作映画。その珍しい組み合わせのためか、不思議な不思議な物語。
基本理屈では無くスタイリッシュな映像と不思議さを感じる映画。
私個人は緑、グリーンが好きなので好感持てた。
別に深く考えなくても、単純に住宅街から逃れられない。それだけで観れば良いと思う。
けど、伏線としては冒頭のカッコウの、ヒナが本当の親鳥のヒナや卵を本能で巣から追い落とし、一羽で巣をぶんどる場面。厚かましく、他の鳥類親鳥より異様に大きくなってもエサを給餌してもらっている場面がこの映画を象徴している。
追い込まれた無機質な生活、風もなく、雲も動かない、なぜか送られてくる食糧や生活物質、無菌パック、無味無臭。誰もいないからコミュニケーションも無い。
安月給で35年ローンでたいして職場にも近くなく、駅からもそこそこ距離がある。日本の首都圏のサラリーマンはチョット身をつまされる。
何故か送られてきたガキが成長異常に早いのですが、わめくは、生意気に主人公のカップルの真似するわで、ちっとも子供らしさゼロ、憎たらしいだけのクソガキ。
とここまで書きましたが、それほど「何故か?誰かの陰謀か」までは考えなくても良いでしょうね。
ただスタイリッシュな映像と一見単純なストーリーを気楽に見る映画。
考察はキネマ旬報とかの映画評論家にさせとけば良い。一般人は気楽に疲れず身を委ねれば良い作りで、単純ながらも意外に飽きません。エログロは一切ないので、カップルにもオススメ。ただし、物語の結末は・・秘密。ネタバレになっちゃうから。主人公が、庭師?と教師の未婚のカップルというのは関係あるかもね。
子育ては苦行だよ
思ってたよりホラーじゃなかったというか、グロいシーンとかがなくて個人的には良かった。こういう社会派サスペンスは、「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール監督で好みだったので、そんな感じかなと思って観てました。
最終的には、オープニングシーンがこの物語の全てを説明しているようだと思いました。カッコウの子どもの話。ここだけ如実に嫌な感じでしたね。
いつかは子どもが欲しいよねというカップルが子育て地獄というかループに陥ってしまう話。何かが起きそうで大きなことは起きないんだけど、もう気持ち悪い。いい意味で気持ち悪い空間でした。
食事を用意しないと叫び、イライラするほど似ている親のモノマネをする見ず知らずの子どもを育てないと街から抜け出せないという設定なんですが。まず、子役が本当にとある人物と似ている人を上手くキャスティングできているし、首のかしげ方とか非常に演技指導が行き届いている。感心しました。
特に父親は自分で子どもを産んだわけではないからこそ生まれる父親と母親との価値観のズレを描いた作品はこれまでも多くあったけど、今回は母親“代わり”というところが新しかったです。
オチというか主人公の最後のほうが、何か急にチープな道具を使ってしまうなーとか、正直ループが続くっちゃ続くので、代わり映えしない退屈だと感じてしまうところもあったんですが、結婚、子育て=幸せ幻想を打ち砕いてくれるというか、覚悟がいるんだなと改めて思わされる一本でした。
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