ビバリウムのレビュー・感想・評価
全133件中、81~100件目を表示
謎があるとしたら、どうしてそんな事するの?
きれいな青空に綿菓子のような雲が浮かび、同じ形の清潔そうな家が果てしなく並ぶ、脱け出せない町。No.9が繰り返すように同じ家の前に返ってしまう。
これは人生における結婚生活の悪夢なのか?子供はわめき、言うことを聞かずにどんどん成長し、育てた人を捨てて去っていく。托卵。
久しぶりに途中で映画館出ようと思った
最初の紹介所のおっさんと演出でなんか嫌な予感したんだよな。凡庸過ぎて。で、マイホームセンター入ってくところの背景が酷く。あっ。。と。
『スワロウ』の時の予告で面白そうに見えてしまった。ジェシーアイゼンバーグ出てるし、と。失敗した。世にも奇妙な物語でももうちょっと面白い展開あるでしょうに。シネクイント、年明けから『スワロウ』『あのこは貴族』でよかったのにな。。つまらな過ぎて思考停止。
ソーシャル・ディスタンスあり過ぎと無臭の世界はいやだけれど、人間の一生を早送りしたらこんな感じなのかもしれない。
木と風のざわめきから始まったのに、そういうのが何もない空間に入り込んでしまった!
ルネ・マグリットみたいな空と雲だけど違う!マグリットの雲は色んな形、色んな大きさだけれど、この映画の雲はスタンプで押したみたいにおんなじ。
ブリキの太鼓のオスカーみたいにキャーと叫ぶ。でも、オスカーは成長するのをやめたのに、この映画のそれは、グングン成長する、いつもおんなじ格好で。海苔みたいなベタッとした黒い髪で襟足無し、半袖の変な白シャツ、黒で丈が少し短いズボン。言語習得は「白紙に刷り込む形式」。
二人とも普通のカップルなのに、何の因果でこうなった?シュールがシュール過ぎて、カフカ的ともいえないような。
アイゼンバーグとジェマ役の女優さん、とても良かった。
オチも無味無臭
映画のアイディアやネタが面白かったです。ループしている恐怖感、淡々と過ぎていく中で無味無臭の食事、娯楽のない生活がリアルな怖さがありました。こんなところにいたら精神崩壊する。
総合的に面白い不条理ホラーでした。
雛鳥の巣がカッコーに取られて、雛が落とされたシーンと重なっており、最後は自分たちの巣が取られるという終わりでしたが、…そこは中盤に挟んでもっと主人公に奮闘してほしかったというか。
多分あの管理人たちは悪魔のような存在で、あの家はこの世ならざるものなので、絶対勝てない仕様なんだろうけど何とかすっきりしたかったです。
でも一度は観てもいいホラー映画だと思います。あの子供奇妙だけどだんだん可愛く見えてきましたしね。
住宅展示場に近づけなくなる マンションの内覧会なんてもってのほか
冒頭の鳥の巣のヒナの映像は知っていました。タクランというんですよね。漢字だと托卵。別の種類の鳥の巣にわざと卵を産んで、孵化するまで温めさせて、孵化したら、そのヒナは本来のヒナを巣から落として、その後も養親(仮親)からエサを貰って成長する。悪いやつもいるもんです。映画ではカッコウっていうことでしたが、デカいヒナにエサをあげる小さい仮親が憐れでした。ムクドリもするらしいです。人間の場合ですと、既婚女性が浮気相手の子供を産んで、旦那に扶養させることを託卵ということもあるらしいですね。冒頭の映像は自然のものでしたが、ビバリウムというのは人が自然を模して作った箱庭のようなもので、いわば偽物です。
映画の内容ですか?
思い出したくありません。
気持ち悪くて、不愉快で、おぞましくて、なにせ、絶望的。
人類の未来?いや、今の世の中多かれ少なかれ、画一化された生活環境で、住居も食べるものも似たり寄ったりじゃないのと言われれば、そうかも。
単一な色彩の無機質な環境。全く同じ住宅。一度入ったら、出られない迷路。風も吹かないし、無味、無臭の世界。
本物のビバリウムだったら、木や草が生えていて水も流れるけど。
お隣さんもいない。
ミセス・ノイズィーでもいいから、いて欲しい。
悪魔の化身のような鬼っ子。
ジョーカーの方がまだまし。
自分の墓を自分で掘り続けるしかない無間地獄。
オールナイトの寺山修司の映画のほうがまだまし。
毎日、味のしないレトルト食品よりかは、毎食納豆の方がまだまし。
所詮、人間社会なんてそんなもの。親のこころ子知らず。同種、家族であっても利用するだけ、されるだけ。そして、もっと大きな支配体系の消耗部品に過ぎないとささやかれ続けるわけですよ。
毎日。毎日。
最近、46年前の奴隷映画(MANDINGO)を見たんですが、まだ奴隷のほうがましと思いました。
タダだったらもう一回見る?
お金貰っても、もう見ません。
映画って、基本的にお金払って楽しむものですが、
これはきつかった。
悪夢でした。
好みの不条理サスペンスホラー・・・変態か!
「God knows」、「dog knows」というジェマと子どものやり取りに笑っていいものかどうか・・・と思っていたら、「NO」、「ON」の応酬。もしや逆さまにする言葉遊びか?などと考えつつ、この子どもの不気味さに脳天をぶち壊されそうになっていきました。
とにかく人の子なのに育てなくては脱出できない恐怖。しかも成長が早い。98日目でローティーンくらいに育っていたから犬並み!ドッグ、ドッグ、ワオーーン。といった感じで、犬好きにはたまらない映画でした・・・そんなわけない!
快適な郊外の団地。薄緑色の同じ住宅が建ち並んでいる不気味さなのに、生活必需品もかなり揃っていそうな居住空間。同じ家ばかりだから迷子になりそうな気もしたのですが、間も無く迷子にされてしまったトムとジェマ。でも心配ない。なぜかナンバー9の案内された家にたどり着いてしまう迷宮感たっぷり詰まった作品なのだ。No.9、No.9、.No.9・・・と、ビートルズの実験曲をも思い出す内容だ。
不気味な子どもは物マネも得意なのですが、もっとも印象的なキーっと金切声を上げるところは、『A.I.』(2001)のデイビッドや『ブリキの太鼓』(1979)のオスカルを思い出してしまいほど。真似をしているだけなので叱ろうにも自分の真似なんだからと自重気味になってしまう二人。もう帰りたくてたまらない様子が痛々しい・・・
多様性を重視したとは謳ってはいるけれども、まったくの没個性の住宅。道路は左側通行なのでアイルランドが舞台なんだろうけど、全体主義を象徴してるのか?とも思えるし、冒頭のひな鳥に餌を与える親をイメージしているだけとも思える。しかし、ゲームの中に閉じ込められたかのような内容は、人間社会が動物と同じように子を育て親が死ぬという普遍性を極端に描いただけなのか・・・ジェマがカッコウの托卵について話す序盤の展開にも通ずる子育てマシーン化された人間の姿でもあった。
もしかしたら、人間も政府など権力者によって生かされているだけなのか?では、子どもは何の目的で大人にされている?マーティンという不動産屋がそのまま輪廻転生のように繰り返されてるとするなら、それを操っているのは誰なのか?こうやって深く考えると頭がぐるぐるとかき回されているようになって、結局「God knows」という言葉に集約されてしまう・・・あぁ。
気味悪さに浸る
鳥が嫌いな人を何人か知っているが、その人達の気持ちがよくわかってしまう程に気味の悪い生態を見せつけられた。
でも目が離せなくなるのは怖いもの見たさなのか?それとも、坦々と延々と繰り返すミニマルミュージックの様な、妙な心地よさを感じたからかもしれない。
同じ家、同じ雲、同じ食べ物、現実味がない様で実は現実的かもしれないおもちゃみたいな無機質な世界は、たまに感じる味気ない感じに似ていて怖い。
静かな気味悪さ
予告を見て「ルネ・マグリットの絵みたい!」と思い、気になって観に行きました。
主人公のカップルが、不気味な子供を無理やり育てさせられ、育ちきったらお払い箱…。なぜ、なんのために子供を育てさせられたのか、この空間を作ったのは何者なのか、等は最後まで結局分からず、次の犠牲者が増えていきそうな雰囲気で終わります。なぜこんなことをさせられるのか理由が分からない、というところが冒頭のカッコウの托卵と繋がるんだな、と思いました。人類に対するカッコウのような何かがいるんでしょうね…。人類を超越した何者かの存在がほのめかされるが結局正体は分からない、という不気味さは個人的に大変好みです。人がおらずシンとしたヨンダーや、延々同じ形の雲が浮かぶ空など、雰囲気やビジュアルもやはりどストライクでした。謎のうねうねしか映らないテレビがMVPです。
ホラーとしては突然の脅かしもスプラッターもなく、淡々と進んでいくためかなり地味です。ちょっと冗長かな、と思うところはあったので、雰囲気好きですが★4で。
グロが得意ではないので、R15に若干おびえながら映画館に行きましたが、グロではなくエロ(しかも一瞬)のほうでしたので安心して観れました。これもエロシーンっていうより、人類の生態を観察してたんですかね…。
この退屈がよく写るかはあなた次第、世にも奇妙な住宅内覧
前評判に倣うような感想にはなるけど、「世にも奇妙な物語」に『住宅内覧』と出てきても納得できちゃう作品。ある意味ワンシチュエーションではあるけど、思ったよりギミックが少なかったかな。
マイホームを探しに来たふたりが連れてこられたのは、一帯全て同じ造りのYonder。早々に切り上げて出ようとしても、出ることが出来ない。するとそこに子供が送られてきて…。
確かに気持ち悪くて仕方ない作品だが、あまり台詞も少なくて退屈。何か起きそうな雰囲気を持っているんだが、することもないので、単調になってしまう。そんな時に子供の謎に迫っていくのだが、謎が開けるような解放感はなし。謎が謎を呼んで、景色が変わることはない。それがこの作品のスリラーであり、醍醐味ではあるんだが。それにしても、間延び感は否めない。
キャストも小回りが効くような少なさで、状況整理云々要らないから楽ではあるが、「ビバリウム」の意味が分かってないと作品の本質は見えてこないのが残念。調べたら納得したけど。というか、制作委員会の方が多くて、最初始まるか心配になってしまった。笑
エンディングにタモリと黒いドアがあれば完璧。笑 映画館で観るまでもなかったかなとは思うけど、走り回る子供が、囲われたスピーカーを一周するサラウンドを楽しめるので、これはこれで良かったかも。
凝縮
延々と続く住宅地に絵に描いたような空と雲という異様な空間に、居心地の悪さを感じました。
そんないかにも人工的な奇妙な空間ながら、主演二人のリアルな演技で、シュールな恐怖が伝わります。
この空間の作り主の正体は明確にされませんが、そういう生態のエイリアンか未知の生物か、というような解釈をしています。
しかし、この未知のものに囚われる恐怖の生活は、現実的な人生の縮図のように感じます。
自分の家を持つというステータスに囚われる。
高額な家を買ってローンもあったりすれば、家に囚われる。
子供が出来れば、子育てに囚われる。
子供の泣き声に悩まされ、思い通りにならない子育てにカップルの間で諍いになる。
育てても、意思の疎通が困難で用済み扱いされる。
家を持って家庭を持って子供を育てるとなると、嫌なこともあれば良いこともあると思います。
が、これは、嫌な部分を凝縮したようなホラーだなと感じました。
完全に好みが分かれそう。
こんなに後腐れの悪い映画は初めて。
家を紹介した男が、何が目的でやっているのか。そもそも人間なのか。あの世界は何なのか。いろいろ謎なまま終わった。とにかく進展しない都市伝説みたいな映画。
考え出したら、終わらない何も解決しない。何も考えずに見て欲しい。
PG12でも、大丈夫と思った。
分かるようで分からない絶妙なライン
見終わって思ったのが、デビッドリンチがSFスリラーを作ったらこんな感じだろうなと思った。
オープニングのカッコウの巣での赤ちゃんの歪さがイレザーヘッドの赤ちゃん思い出させる。
終始、悪夢を見させられてる感覚になり、目覚めたいけど目覚められない
居たくないのに居たい。見てて自分も画面に飲み込まれそうな感覚になりました。
個人的には抜け出せない感じはミッドサマーより好きでした。
エグキモい
とりあえず緑色と七三に対して
嫌悪感を抱くようになる映画
オープニングの描写がすべて。
それを人にしてみせていくわけですが
見せようとしたこと以外にも
子育ての側面を皮肉った感じ
などエッセンスがすごく
痛烈に心をえぐられた。
ミッドサマーとはまた違うえぐられ方でした。
田舎のミニシアターでしたが
観客も多くクチコミなのかな?
みんななんだかんだでこういう映画好きなんですね笑
ラストの終わり方とか、明確な答え欲しい人には
嫌かもですが
個人的にラストにみせられた描写が
すごく痛烈で
中盤の同じことの繰り返しをみせるより
そこらへんを
もっと掘り下げてほしかった
もっとそのせかいをみたかったです。
良くも悪くも好き嫌いわかれる作品
メンタル調子良い時にご鑑賞をどうぞ笑
理想と迷宮は紙一重。地獄にもなり得る。
マイホームを持ち、家庭を築きたいという「理想」。
概ね誰しもがそのような「理想」を描いたことがあるだろう。
しかし、それは抜け出すことのできない「迷宮」であるかもしれない。
家を買い、子供を産み、育て、死に、またその子供が家を買い、家庭を築く。
それは「理想」であるが永遠に続く「迷宮」でもあり、場合によっては「地獄」にもなり得る。
しかし、人間には少なからずも欲望があり、「理想」を描いてしまう。
それは人によって様々で、大きくもあり、小さくもある。
もし、それが今手に入るなら?
喜んで手を出してしまうだろう。
だから、このようにまんまと「理想」というワナにはまって抜け出せなくなってしまうのだ。
本作は様々な作品からの影響も受けつつ、極めて芸術的かつ斬新にこれを描いている。
あまり見ない挑戦的な作品だ。
本作の世界観はまるでマグリットの作品を彷彿とさせるような、美しいほどにシンプルで、夢にも見そうなまさにシュールレアリスティックな世界。
それが故により一層恐怖感を覚えるのであろう。
登場人物も少なく、割とシンプルに淡々とストーリーが進んでいく。
その中でも、イマージェン・プーツの演技は目を見張るものがあった。
愛らしい顔からは想像もつかない、『ヘレディタリー』でのアニー・グラハムを思わせるような怪演。
絶叫する表情表現は見事で、思わず引き込まれてしまった。
いくつか伏線もあって詮索するのも面白いが、できればただ純粋にこの世界観を楽しんでほしいと思う。
中途半端。
予告編に釣られて鑑賞。
途中までは凄く良かった、ミントグリーンの可愛いらしい家が立ち並ぶ住宅街でのミステリー。外見が全く一緒の家が何百棟と隙間なく建てられそのくせ人の気配はゼロ、夜になれば街頭の明かりもなく真っ暗で静寂、おまけに翌日には段ボールに入った赤ん坊が届けらる、、、十分すぎるぐらいの不気味で興味深い材料が揃っているのにも関わらず後半以降から全然ダメ。
不気味に成長してくこの赤ん坊は最後まで不気味で良かったが、このカップルの壊れていく様をもっと丁寧に伝えて欲しかった。所々に映し出される絵に描いた様な可愛い雲がかえって不気味さを出している感じも良いアイディアなのにもったいないです。
詰めが甘いのでもったいない
アバンで、托卵がテーマであることが明示され、それ以上でもそれ以下でもない映画。
ニュータウンの雰囲気、主人公カップルの距離感、不気味な不動産屋や子供など、あちこち面白い絵づくりはあるものの、軟禁されてる生活がとにかく退屈。
たくさん同じ家が並んでいるのになぜこのカップルしか住んでいないのか、子供に対して気持ちが変化することはないのかなどなど、そういった小さい描写の積み重ねがないので、せっかくのクライマックスの面白い画像が活きてこないしオチも昔のマンガみたい。
荒唐無稽でも「US」はその辺りにこだわりがあったなあ
全133件中、81~100件目を表示