「住宅展示場に近づけなくなる マンションの内覧会なんてもってのほか」ビバリウム カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
住宅展示場に近づけなくなる マンションの内覧会なんてもってのほか
冒頭の鳥の巣のヒナの映像は知っていました。タクランというんですよね。漢字だと托卵。別の種類の鳥の巣にわざと卵を産んで、孵化するまで温めさせて、孵化したら、そのヒナは本来のヒナを巣から落として、その後も養親(仮親)からエサを貰って成長する。悪いやつもいるもんです。映画ではカッコウっていうことでしたが、デカいヒナにエサをあげる小さい仮親が憐れでした。ムクドリもするらしいです。人間の場合ですと、既婚女性が浮気相手の子供を産んで、旦那に扶養させることを託卵ということもあるらしいですね。冒頭の映像は自然のものでしたが、ビバリウムというのは人が自然を模して作った箱庭のようなもので、いわば偽物です。
映画の内容ですか?
思い出したくありません。
気持ち悪くて、不愉快で、おぞましくて、なにせ、絶望的。
人類の未来?いや、今の世の中多かれ少なかれ、画一化された生活環境で、住居も食べるものも似たり寄ったりじゃないのと言われれば、そうかも。
単一な色彩の無機質な環境。全く同じ住宅。一度入ったら、出られない迷路。風も吹かないし、無味、無臭の世界。
本物のビバリウムだったら、木や草が生えていて水も流れるけど。
お隣さんもいない。
ミセス・ノイズィーでもいいから、いて欲しい。
悪魔の化身のような鬼っ子。
ジョーカーの方がまだまし。
自分の墓を自分で掘り続けるしかない無間地獄。
オールナイトの寺山修司の映画のほうがまだまし。
毎日、味のしないレトルト食品よりかは、毎食納豆の方がまだまし。
所詮、人間社会なんてそんなもの。親のこころ子知らず。同種、家族であっても利用するだけ、されるだけ。そして、もっと大きな支配体系の消耗部品に過ぎないとささやかれ続けるわけですよ。
毎日。毎日。
最近、46年前の奴隷映画(MANDINGO)を見たんですが、まだ奴隷のほうがましと思いました。
タダだったらもう一回見る?
お金貰っても、もう見ません。
映画って、基本的にお金払って楽しむものですが、
これはきつかった。
悪夢でした。
けっこう好きな映画でしたw
小学校教諭という設定も絶妙で、教育はうまくできるはずなのに物真似ばかりする“それ”には対処できない・・・ガーデナーという職業も上手くいかされたと思います。
もしかして、庭師とか、土建屋さんとか穴を掘ることができる職業が狙われているのかも・・・