「子育ては苦行だよ」ビバリウム わたろーさんの映画レビュー(感想・評価)
子育ては苦行だよ
思ってたよりホラーじゃなかったというか、グロいシーンとかがなくて個人的には良かった。こういう社会派サスペンスは、「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール監督で好みだったので、そんな感じかなと思って観てました。
最終的には、オープニングシーンがこの物語の全てを説明しているようだと思いました。カッコウの子どもの話。ここだけ如実に嫌な感じでしたね。
いつかは子どもが欲しいよねというカップルが子育て地獄というかループに陥ってしまう話。何かが起きそうで大きなことは起きないんだけど、もう気持ち悪い。いい意味で気持ち悪い空間でした。
食事を用意しないと叫び、イライラするほど似ている親のモノマネをする見ず知らずの子どもを育てないと街から抜け出せないという設定なんですが。まず、子役が本当にとある人物と似ている人を上手くキャスティングできているし、首のかしげ方とか非常に演技指導が行き届いている。感心しました。
特に父親は自分で子どもを産んだわけではないからこそ生まれる父親と母親との価値観のズレを描いた作品はこれまでも多くあったけど、今回は母親“代わり”というところが新しかったです。
オチというか主人公の最後のほうが、何か急にチープな道具を使ってしまうなーとか、正直ループが続くっちゃ続くので、代わり映えしない退屈だと感じてしまうところもあったんですが、結婚、子育て=幸せ幻想を打ち砕いてくれるというか、覚悟がいるんだなと改めて思わされる一本でした。
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