「カッコウ」ビバリウム B25(海外出張の為一時休会予定)さんの映画レビュー(感想・評価)
カッコウ
主人公のジェマとトムのカップルは二人で暮らす家探しに不動産屋へ。
そこの不動産のスタッフが奇妙な奴である。
案の定連れて行かれたのが一戸建てだけで何百もの家が連なる広大な住宅街。そこにジェマとトムは置き去りにされ閉じ込められてしまう。
携帯の電波も繋がらず車もガス欠し、助けが来るまでここで住むことになったジェマとトムの下に赤ん坊がやってくる。冒頭にカッコウの雛、そしてそのカッコウの雛に殺された他の鳥の雛の描写がある事からこの二人がカッコウの雛を育てさせられるターゲットにされた他種の親鳥のような展開になるのは予想される。
案の定そのようなストーリー展開が続き赤ん坊は人間とは明らかに異なる成長スピードで成人し、成人後は育ての親となったトムとジェマを殺し次のターゲットとなるカップルを探す所で作品は終わる。
カッコウの性質そのまま比喩したわけではないが概ねカッコウの性質を比喩したストーリー展開。そこにサイコ要素だったりホラー要素なんかも入り混じっているが、ストーリー性に欠ける。よく言えばアート性の高い作品のため頭であれこれ考えてしまうとこの作品の世界からどんどんかけ離れてしまい同時に楽しめなくなる。いかに没入できると楽しいんだろうと思う。
最初の不動産スタッフとジェマ達が育てた赤ん坊は人間ではないエイリアンのような存在なわけだが、
個人的にはあのエイリアン達がジェマ達らのように人間に育てさせ後にどんどん数を増やし地球を支配していくような展開があるのかなと期待していたがそのような描写もなく、最後は最初の不動産スタッフが死に入れ替わりになる所もイマイチ理解が追いつけず。
独特な雰囲気は終始漂っておりハマる人にはハマりそうな作品ではある。
ただ同時に好き嫌いは大きく分かれる作品にも思う。