劇場公開日 2021年2月19日

  • 予告編を見る

「フィンランド人と中華料理のハーモニー」世界で一番しあわせな食堂 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5フィンランド人と中華料理のハーモニー

2023年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

題名から私が勝手にイメージしていたのは、チベットとかモンゴルの
名もなき小さな素朴な食堂でした。
原題は「マエストロ・チェン」らしいです。
「料理の神様チェン」ですものね。

フィンランドの北にあるひなびた村に一軒ある食堂は、
女主人のシルカが一人で調理から仕入れまでこなしていた。
その食堂に恩人のフィンランド人フォントロンを探しに来た
中国人親子。
フォントロンを知る人は誰もいない。
無気力にスマホゲームをする8歳位の息子のニュニョ。
シルカの料理が口に合わない。
ソーセージとベチャベチャのマッシュポテトに機械でスライスした
ニンジンなどの野菜。
町にはホテルがなくてシルカは空家の部屋をチェンとニュニョに
貸してくれる。
お礼に厨房に入ったチェンは早速料理の腕前を披露する。
丁度バスで乗り付けた中国人観光客に麺料理を作り、
更にバイキングの中華料理でもてなす。
そんなわけでシルカの食堂は、すっかり人気店になって行く。
更にチェンは薬膳料理も作ると体調の良くなったお年寄りが続出。
シルカの胃痛には薬膳スープがよく効いた。
実は妻を自転車事故で亡くしていたチェン。

しかしニュニョも村の子供たちに溶け込み、シルカの腕の中で
眠るほど懐いている。
そんな時客の警官がチェンのビザがとっくに切れていることを
突き止める。
さぁチェン親子はどうなるでしょう?
すっかりチェンを好きになったシルカの未来は?
というストーリーです。

フィンランドの山々、広々とした平野、湖に名物のサウナ。
折よく白夜の時期で外は明るい。

監督はアキ・カウリスマキの弟のミカ・カウリスマキ。
ちょっと中国人に甘い点も見かけますが、
中華料理は勿論美しくて美味しいですし、漢方薬の本場の中国でもあり、
中々良く出来た映画でした。
何より寂しかったニュニョが元気になってシルカをママみたいに
慕ってる姿、とても良かったです。
フィンランドの自然や素朴な人々にも癒しの力を感じました。

琥珀糖
NOBUさんのコメント
2023年4月7日

今晩は。
 今作は余り話題にならなかったのですが、私はとても好きな作品です。
 何となく「かもめ食堂」を思い出しましたよ。
 フィンランドの映画って、アキ・カウリスマキが代表監督でしょうが(ほぼ全作鑑賞しています。)ミカ・カウリスマキ監督作品も好きですね。では。返信は不要ですよ。

NOBU