「禁断の眼か、救済の眼か」ホムンクルス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
禁断の眼か、救済の眼か
現在も公開中の作品が早くも配信で見れるとは!(Netflixほぼ同時配信)
決してマイナーな作品ではなく、原作コミックは『殺し屋1』などで知られる山本英夫、監督はJホラーの名手・清水崇、綾野剛×成田凌他実力派共演…と、強力布陣。
ダーク・ファンタジー×サイコ・ミステリーの異色衝撃作。
高層ビル群とホームレスが暮らす公園の中間で車上生活を送る名越。彼は記憶が無い。
そんな彼の前に突然、研修医の伊藤が現れ、ある話を持ち掛けてくる。それは、報酬70万円で頭蓋骨に穴を開ける“トレパネーション手術”を受け、7日間実験に参加して貰うというもの。
伊藤の目的は何か…?
承諾し、手術を終え、名越が左目から見えたものは…
裏返したカードが次々分かる。
そんなの序の口。
街へ出てみると…
街行く人々の姿が、紙みたいに薄っぺらくなったり、上下分割したり、木の姿になったり…一体何だ、これは!?
伊藤曰く、手術を受けた事により、第六感が冴え、人間の心の歪みが異様な形になって見えるという。
伊藤はこれを、“ホムンクルス”と呼ぶ。
おいおいおいおい、冗談じゃねぇよ。
こんなのやってられっかよ。気が狂っちまうよ。
…しかし、単に人の心の歪みが見えるだけではない。時にはその人が心の奥底に抱える悲しみ、後悔、トラウマも見える。
ロボットの姿に見えたやくざの組長、砂女に見えた援助交際のJK、彼らを救済。
それは伊藤のトラウマも。
そして、記憶を無くしている名越自身の悲しい過去にも対峙していく…。
原作コミックも衝撃作だからなのか(勿論未読)、清水監督自身のオリジナル脚本によるホラー作品よりインパクトあった。
ロボットやのっぺらぼうなどCGを駆使したホムンクルスは、異形にしてユニークにして、なかなか高クオリティー。
人の心の闇、狂気、悲しみを体現した実力派陣の熱演、怪演。
火花を散らす綾野剛と成田凌の共演だけでも見応えあり!
それは、禁断の眼か、救済の眼か。
左目を通じて、“ホムンクルス”の果てに見えた人間の本当の姿は…?
演技や作風などインパクトあったけど…
正直ちょっと分かり難かった所もあった…かな(^^;