「70分 2日 80年」オールド・ジョイ あしたさんの映画レビュー(感想・評価)
70分 2日 80年
この映画の長さが70分、映画の中での時間は2日、だけどこの映画が描いている登場人物たちの時間はその人生の長さそのものだった。
仕草、動き、目線、言葉、それらでこの人たちがどう生きてこれからどう生きていくのかを描ききっていた。
これが映画の力と呼ばずしてなんと呼ぶか。
かつてフィッシュマンズが「宇宙 日本 世田谷」で東京と宇宙を接続してみせたように、たったの70分の映画で人生を描ききっていた。
社会に組み込まれる寂しさと社会に弾かれた寂しさを対比して描き我々の物語になっているところも見事でした。
美しい森の風景とそこに捨てられたゴミのある空き地で一夜を過ごす。
いろんな矛盾が、デタラメが、いびつさがただそこにある。
これがエンタメと結びついたらどんな映画になるのか!と早くこの監督の他の作品も観てみたいと思いました。
いやー素晴らしかった!
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