「今までの映画の中で一番好きな作品」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション みゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
今までの映画の中で一番好きな作品
数年前からヒロアカファンで、映画も一作品目から全て観てきました。そしてタイトル通り、私は今回の映画が一番好きです。
まず、ヴィランの思想が好きです。ヒロアカは原作含め、良いヴィランを作るのが上手い。ただ、今までの映画に出てくるヴィランはなんだか薄っぺらいというか、ありきたりだなと感じて感情移入できませんでした。
しかし、今作のヴィランが唱えている「個性終末論」。めちゃくちゃな俗説のようにみえますが、意外と的を得ているんですよね。
例として挙げるのならエリちゃん。彼女は実際、個性発現時にコントロールができなくて実の父親を失っていますよね。また、荼毘のように身体が自分の個性に耐えられない者もいる。(デクも個性を受け継いだばかりの頃や黒鞭が出た時は操りきれずに自分や周りの人に危害を加えていた)それから常闇くんのダークシャドウも条件によっては制御できなくなっていた。
今は練習を重ねればコントロールできるようになっていますが、これから先、更に強い個性が出現したら制御不能になってしまう可能性もあるのでは?そう考えてみると、「個性終末論」もあながち間違ってはいないんですよね。
次に、映画オリジナルキャラのロディ。
私はこのキャラが本当に大好きです。本編に出ていたら推しになっていたぐらい。
自分や世の中よりも家族が優先だったロディが、デクと旅をしていくうちになりたい自分を見つけて最終的には世界を救ったヒーローになるという、まぁありきたりと言えばそうなんですが、とにかくとても良いキャラです。キャストの吉沢亮も、プロの声優さんかな?と思ってしまうほど上手だった。そして個性であるピノによって本心が現れるところも可愛いですね。
作画も相変わらず素晴らしい。ロディの逃走シーンや戦闘シーンなど、激しい動きの場面を細かく描いてくれてて、作品への愛を感じました。
ただ、デクとフレクト・ターンの最後の方の戦闘シーン。熱い戦闘を描きたかったんだろうなっていう思想は感じ取れたんですが、描写があまりに極端すぎてもはや別作品じゃねーかって心の中で突っ込んでしまいました(笑)。
それと、疑問に思った点が一つだけ。
デクがフレクト・ターンの戦闘中に、映像に映るA組の皆(ワールドミッションに参加している者だけ)の名前を呼ぶシーンがあるじゃないですか。
そこで常闇くんや尾白君、佐藤君がいるアメリカ組だけ名前を呼ばれてなかったんですよね。
単に時間の関係上とか、フレクト・ターンが出していた画面にアメリカだけ映っていなかったとか言われたらそこまでなんですが、私はあの三人の誰かが内通者でデクが名前を呼ばないのはその伏線なのかなと推測しちゃいました。あ、でもわざわざ原作の伏線を映画に持ってくるかな・・・
もしこのシーンに、監督の何かしらの意図があったのなら是非教えてほしいですね。