「前作があまりに良かった。」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション みこさんの映画レビュー(感想・評価)
前作があまりに良かった。
ロディとデクの逃避行はとても素晴らしかった。
今までヒロアカのアニメにこんなにも人と人が打ち解けていく、紆余曲折しながらも投合していくシーンが細かく描かれていたか。
劇中歌も相まって、最近の本誌や普段のヒロアカで見ることのできないほのぼのとした雰囲気を感じることができた。
何よりロディのキャラ設定がとても良かったし、細かく作られていた。
今回だけのオリジナルキャラでは勿体無いくらい素晴らしい。
だからこそ、とても残念なシーンが後半目立った。
・あんなにもグッズ化して広告を出しまくったステルススーツが最初にしか登場しないこと。
・作画がとても良いシーンと通常のアニメより酷く感じてしまうシーンのムラがとてもあること。
そして私が何よりう〜ん…と感じたのが
オリジンの終盤各戦闘シーン。
今までのヒロアカの映画には、少なからず傷を負うことや攻撃を受けることに意味があるのが明確だった気がします。
(子供を庇うために横腹に傷を受け貫通したり…)
前作、ヒーローズライジングの終盤の戦いは特に理由も明確で美しいな…とまで思えました。
今回の爆豪の双子との戦闘シーン。
爆豪がギャアギャアと悲鳴を上げながらひたすら刃で刻まれ続けるシーンは私にとっては苦痛でした。
そして反射の人とデクの戦い。
レーザーで何度も貫かれ、穴だらけになり、何度も吹っ飛ばされ続ける拷問シーン。
今までヒロアカであまり描かれてこなかった
ただひたすらに傷つけられまくるヒーロー
というシーンが多く感じました。
反撃のシーンは比較的とても素晴らしかったと感じています。けれどそのために、あんなに痛めつけるシーンを長く描く必要があったんでしょうか…。
爆豪も緑谷も頭脳戦が毎回とても素晴らしい印象があったのでひたすら体当たりで倒しにいくという短調な戦闘シーンが不満足でした。
何度も観たい!と思える前半。
もう観てられない…と思える後半。
エンドロールでまた観にくるかとても悩みましたが、たくさん買ったムビチケはもう活躍しなさそうです。
とても残念です。