浅草キッドのレビュー・感想・評価
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断固として推す。観ないと大損!
悲しいじゃなく虚しいじゃなく、ただただ「愛おしい」が溢れて、イイ歳して雑巾絞るみたいに泣いた。
だのに読後感が爽快に過ぎる。やりきれない現世の澱が、芸人たちの純愛に触れて浄化される思いがする。ウイルスまみれの年末年始に断固として推す。
血の代わりに芸で繋がった大好きな父上に死なれて、遺影に向かい末っ子が必死の憎まれ口を叩いてるのに、滝涙しつつも耐えてたのに。
父上より15も老いた今のタケシが、師匠の墓石を大切そうに素手で撫でるように洗ってるのを観て、もはや観念してオイオイ泣いた。
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タップダンサー目指してるでもないタケシになんで芸事が要るのだろう? と考えるに、
ただ自分が楽しいで立つんじゃなく、客を笑わせる覚悟で舞台に上がるため、パフォーマーとしての地力というか自信の裏付けというか、努力を積み上げるものとしての芸事なのかもしれない。
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何サマだ!という客の罵倒に師匠、「見て貰ってるんじゃねえ、見せてやってるんだ」 確かに! 見て貰ってるんなら、芸人が客に金を払わないと。
とはいえ、罵倒した客も存分に笑わせて帰さないと舞台が成立しない。
「何が面白いかはお前が客に教えてやるんだ」 師匠は常に客と勝負する気迫で舞台に上がってるんだなぁ。だから裸を見に来た客相手でも、時流に遅れどれほど落ちぶれても、卑屈に陥ることなく、あんなにも恰好良いんだ。
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「やらせないよ」と突き放す千春の、ガールフレンドではない戦友感が潔くて大好き。
フランス座を去るタケシに、座を動けない師匠に替わって(みたいに思えた)叩き付けながら「帰って来ないで。絶対売れて」と手痛いエールを贈る千春が、フランス座そのものの擬人化に感じた。
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「俺いなくなったらフランス座はどうすんだ」
「ここ畳んだらタケはどうなるんだ」
鏡合わせみたいに互いを一番大切に思い合う師弟。
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「いくらでもいる、こんなの」で終わるか、観衆が喝采するエンターテナーに天に選ばれて上がるか。
夢見て志す者は終わりのない戦いを、ただ己が己に見切りをつけるまで、ひたすらに戦い続ける。
遂に見切りを付けた者たちの、戦い続ける者たちへの眼差しの優しさ温かさ。
どんな「いくらでもいる」者たちにも、憧れた人がいて、悔しく嫉みながらもやっぱり応援せずにいられない人がいて、倒れたら抱き取ってくれる人がいる。そんなことを思わせてくれる映画。
円盤化、してくれ~~~~~!
ネトフリ月額じゃ全っっ然課金できない! チケットや円盤で思うさま貢ぎたいんだ、頼む!
設楽優也がいいね。
ビートタケシと深見師匠との青春ノスタルジー。
ストリップ小屋では、コント聞きにきてるんじゃねえ、
女の肌が見に来てるんだらよ!
大泉洋と設楽優也 門脇麦の場末のストリッパーがいいね。ジョニーが来たなら
歌ってね。
タイトルなし(ネタバレ)
冒頭本物のたけしさんが出てきてハードル高!と思ったのですがスッと柳楽さんに繋がったのは感動しました。役者さん、監督、制作スタッフの最大の賭けはここだったんじゃないでしょうか。愛と気概を感じました。
ここでいや柳楽優弥じゃんってなった人は終わりまで不気味の谷現象に悩まされると思うので見なかったことにするのも手だと思います。
柳楽さんほんとすごいですね。これからも色んな顔が見たいです
釣りはいらないと言い続けてきた師匠が釣りを返しにこいと言ったところは感動しました。
小遣いのボケやヒールなど何もかわっていないことを見せたからこそここからまた新しい二人の関係が見られると思った矢先の悲劇……でもその後の演出がまた良くて……涙は止まらないけど悲しいだけじゃない温かな気持ちになれました。
主演のお二人だけでなく脇を固める役者さんみんな素晴らしかったです。
千春演じる門脇麦ちゃんほんと凄い女優さんです。ね、台詞一つ一つが妙に印象に残るので別れのシーンも新たな人生を送っているシーンも彼女が一言喋れば一瞬でフランス座での日々に繋げられます。
柳楽さんが主演するって事以外前情報ロクに見てなかったのでクリピ出てきたときはおもわず声をあげてしまったのでここだけは唯一映画館じゃなくて良かったと思いましたね。手見てドン引きしてて可愛かったです。
脚本・演出に難あり
ナイツのラジオで話題になってたから観たけど、脚本・演出がひどくて元の話の良さが死にまくってた。
脚本、ひとりさんには荷が重いと思う。他の製作陣や出演者はこれでいいと思ってるんかな。
時系列をごちゃごちゃさせてるのも意図がわからんし、ただただ観づらいだけやった。
ちょいちょい口で言ってたことをわざわざ後から映像にしてたけど、どっちかでいいし。
どっかで見たような感じばっかりで、全編通して映画風って感じやった。
エピソードで泣ける部分も多くて、いくらでもいい映画に出来たやろうからもったいない。
悪い意味で、今の日本映画の象徴みたいな気がした。
泣き笑い感動
まず柳楽優弥がやるたけしが最高。これに尽きる。モノマネじゃなく柳楽優弥ではなく北野武青年そのものって感じが滲み出てて本当に感動した。これは劇団ひとりが演出に松村をつけていいバランスの部分を見出した彼の才能だと思う。全体のストーリーは淡々と描かれていてその中にも笑いやタップなど見せ場を作り飽きさせずに見せようと努力が感じ取れました。これは勝手な期待だけどたけし本人と最後に座頭市みたいにタップのショーとかがエンディングであったら嬉しかったなぁと思った。けどそれは欲張りか!
開始10分で柳楽優弥がビートたけしに見えた
開始10分で柳楽優弥の演技力の凄さに圧倒されました。
序盤はどこにでも居そうな若者が芸に魅せられ夢を追う楽しみを若者らしく描いた描写で観ているこちらまで頑張る事の大切さを教えて貰えたような気持ちになり。
中盤はフランス座を捨ててまで試してみたかった自分の力、それに反してもどかしい程の苦悩と師匠からの旅立ち。
終盤は人間愛の素晴らしさ。
大泉洋さんが作り出す師匠のキャラクターがあってこそ、そして柳楽優弥さんの表情と声のトーン一つでより観ている側が本当にお葬式のシーンでは自分が経験したような気持ちで悲しい気持ちになりました。
良い映画を見ました。
ありがとうございます。
あんちゃん死んでもやめんじゃねぇぞ
浅草キッド、ビートたけしの人生を描いた映画。
私が物心ついた時にはビートたけしはおじいちゃんでなんか色々な方面で評価されている人だった。しかしこの映画を観てビートたけしにも、捨てたもの・拾えなかったものがあるんだなと感動した。
なかでも後半にかけての「芸」と「人間関係」の描き方は、繊細で本当に劇団ひとりはビートたけしが好きなんだなと感じた。
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その他徒然と
①ビートたけしと深見の関係をみて、憧れは人を変えると同時に、人を素直にさせると感じた。私もそのような経験がるのでなおさらそう思った。
②また改めて俳優は大変な職だと思った。特にビートたけしを演じた柳楽優弥はモノマネになりすぎない演技、そしてセリフにタップダンス本当に大変な役柄だったと思う。
③TVがもてはやされ徐々に演芸場が見放されていく、しかし師匠は舞台の生き方を貫き羽振りのよい生き様を魅せる。
これをみて個人的に現代にも通ずるものがあると感じた。パラダイムシフト、破壊的イノベーションどれをとっても資本主義に乗っ取り素晴らしい進歩をしてきた。しかしながら資本主義に飲まれた人の想いはどうなるのだろうか。人を想い作られたものが時代遅れだから、良いものができたからという理由で捨てられていい物だろうか?
果たしてパラダイムシフトに取り残されたものはゴミだろうか...
映画の中で深見が若きビートたけしにこんな声をかける
「芸人だったらいつでもボケろ」
私も想いのためにひたすら悩むしかないのかもしれない。
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