浅草キッドのレビュー・感想・評価
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芸人だよ、バカ野郎ー!
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
新年初投稿はこの作品にしようと思ってました。
浅草芸能の雰囲気が、正月に見るのにぴったりな気がしたからです。
であると同時に、話題のNetflix邦画。
題材は、ビートたけし誕生秘話。
映画ファン、お笑いファン、エンタメファンなら興味引かずにはいられない。
今や芸能界の“ビッグボス”となったビートたけし。
勿論ビートたけしの事は知らぬ訳無いが、自分が知るビートたけしはほんの一表情。
まだまだ若い素人の頃、浅草のストリップ劇場“フランス座”でエレベーター・ボーイをしていたたけし。
そんな彼はある芸人に憧れていた。
その芸人とは、深見千三郎。
たけしは勿論、東八郎や萩本欽一の師匠であるという浅草芸人。
にも関わらず、全く知らなかった。
当然かもしれない。
世代の事もあるし、それにTV出演は全くと言っていいほど無く、舞台に立って笑わせる事にこだわり続け、浅草界隈でしかその名や存在が知られなかった“幻の浅草芸人”。
が、芸人たちへの影響力は多大なもので、彼を師と仰ぐ芸人は先に挙げた人たち以外にも。
たけしは深見の“最後の弟子”。
たけしにとって深見は“敬愛する師匠”。
若きたけしの青春の日々、師匠と弟子の物語…。
深見に弟子入りを志願。
今は何でもマルチに才能を発揮するたけしだが、この頃は芸の一つも出来やしない。
「バカ野郎!」…と、いきなり大目玉。
芸の一つも出来ないどころか、深見の前では子犬のように萎縮するたけしの姿が信じられない。今、名だけ売れてる第7世代だったら第一声だけでKOされるだろう。
そんなたけしにタップダンスを教え込む深見。
あれ、これって…。
見てたら本当に、“ビートたけし”の礎を築いたのは深見千三郎であるとつくづく思った。
タップダンスと言えば、『座頭市』。
とにかく口が悪い深見。口を開けば、「バカ野郎!」「この野郎!」。我々もTVで知るたけしの口調と言えば、これ。
Wikipediaなんかによると、深見とたけしの両名を知る人は、たけしは深見の“完コピ”ってくらいらしい。
たけしが深見から頂いた言葉の一つ。
「笑われるんじゃねぇ、笑わせろ」
売れてても売れてなくても、生きざまやプライドを感じた。
芸人だよ、バカ野郎!
日々師匠にボロカス怒鳴られっ放しのたけし。
が、初舞台に立ったり、タップダンスは上達していく。
次第に深見の目に留まる。ひょっとしたら、ひょっとするかも。
深見は妻・麻里と住むアパートの空き部屋をたけしに提供。
毒舌家だけど、下町人情人らしい面倒見の良さ。
自分たちの生活も苦しいだろうに、弟子の飯や部屋の家賃はこっち持ち。師匠が弟子に奢るのは当たり前。
たけしも軍団に慕われ、面倒見のいいのは聞いた事がある。
芸風だけじゃなく、この辺のプライベートの性格まで深見の影響を受けているのが見て取れる。
深見に厳しく鍛えられ、麻里やフランス座の面々に見守られ、踊り子の千春と交流しながら、芸人として成長していくたけし。
いつの間にかフランス座の“顔”になる。
そんなフランス座だが、経営は火の車。客足はとっくに遠退き、来るのはストリップ目当て。
折しもTVが普及し、漫才ブーム。
が、深見はTVや漫才を嫌い、先にも述べたが舞台やコントにこだわり続けた。
そんなある日たけしは、フランス座を辞めた先輩芸人のきよしから、一緒に漫才をやらないかと誘われる。
悩みに悩む。
フランス座の外で、自分の芸を試す機会。
が、それはフランス座や深見と決別するという事…。
悩みに悩んだ挙げ句、出した答えは…
外の世界での勝負。
それも苦難多いだろうが、同じくらい苦渋なのは、伝えなければならないこの一言。
「辞めます」
勿論師匠は大激怒。
しかし、この時ばかりはたけしも反論する。
いつまでもこんな所で燻って、何になる? のたれ死ねというのか…?
世話になったフランス座を後にするたけし。
そんなたけしの背中に、破門を言い渡す師匠の怒号が悲しく響く。
「バカ野郎!」
たけしを演じたのは、柳楽優弥。
あの独特の首を捻る所作、身体の仕草、口調まで、さすが同世代屈指の演技技巧者! タップダンスも披露。
圧巻だったのは、時折現在のたけしも挿入。特殊メイクを施して、柳楽自身が熱演。一瞬、ご本人かと思った…。
また、たけしの所作指導や現在の声当ては松村邦洋。やっぱこの人、たけしのモノマネならピカイチ!
そして、深見役で存在感を放つ大泉洋。
毒舌でクールぶってる所は探偵“俺”、元々バラエティー出身なので笑いの勘、人情深さは本人のよう。またまたハマり役。喜怒哀楽の熱演。
二人の掛け合い、やり取りも時に笑わせ、しんみりさせ、見事。この二人だもん、当然か。
周りのキャストでは、鈴木保奈美がいい姉さんっぷり、ナイツ土屋の好相方、門脇麦はヤらせてくれなかったけど華を添えてくれた。
きよしと組んで漫才デビュー。
やっと我々も知っている。
勿論その名は…
松鶴家たけしきよし!
…あれ? ツービートじゃないの?
改名前。全く売れず、鳴かず飛ばず、客と喧嘩し、劇場の支配人から追い出される事も…。
フランス座に帰ろうか…なんて考えが過る。
…いや、ダメだ。何の為に師匠と決別してまでフランス座を出て行ったんだ。
やってやる。何がなんでも。
芸名やネタもガラリと変える。
芸名“ツービート”。
ネタはかなり過激なジョークの連発。
しかし、これがウケた。
賛否両論だけど、全く新しい笑い。
ツービートが劇場に立つと、芸人も見に行くまで。
快進撃は遂にTVの場へ。
が、リハの時、過激なネタがNGとなる。
何をやればいい? 過激なネタで笑わせてこそ、ツービート。
生放送TV出演直前。未だ悩むたけしの脳裏に、師匠の言葉が聞こえる。
「客に媚びるな」
「笑われるんじゃねぇ、笑わせろ」
ツービートが披露したネタは…
だからこそ、今の地位がある。
ビートたけし誕生の瞬間。
一方のフランス座。
たけしが去った後、経営はますます悪化。
かつての弟子・東八郎はある誘いをしてくるが、大激怒。
麻里は芸者をして生計を支え、借金をしてまでフランス座の経営を続ける。
まばらで入った客が寝てても、舞台に立ち続ける事にこだわる深見。断固としてTVに背を向けて。
時代遅れ、頑固者、化石、古臭い石頭…。
どうとでも言いたいだけ言え。
だけど、世の中に一人でも、そういう人が居てもいいじゃないか。
時代や人々が新しいものに目移りする中、自分の“誇り”にしがみ続ける。
劇中で、それを貶す台詞があった。
そんな貶される事か…!?
劇場で客の前に立つのは、どんな芸人にとっても登竜門。売れても舞台に出てネタを披露する芸人は非常に多い。彼らの“本職”なのだ。
深見にとって舞台は“誇り”でもあり、全ての劇場や笑いの“護り人”。
が、そんな彼も遂に限界が…。
フランス座を手放し、芸人を引退。東八郎からの誘い、東の弟子が経営する工場で働く事に…。
天才を育てた天才。なのに…
こうでもしないと食っていけないとは言え、切ない。切なかった…。
麻里と二人三脚の貧しい暮らし。
だけど、まだどん底に落ちちゃあいない。麻里が応援してくれている。舞台に立つ俺が見たいってよ。何てったって、俺は“浅草の深見”!
ところがその麻里も…。
弟子の活躍ぶりは凄まじく、TVで見ない日は無いくらい。
それをたまたまTVで見た深見。何とも言えぬ表情。やはり、凝りがあるのか…?
食堂の客が気を利かせ、チャンネルを変え、たけしの悪口を言う。すると…
大激怒。「素人のテメェに何が分かる!? 俺の弟子だぞ!」
芸の栄えある賞を獲ったたけし。
たまたま近くに寄った事もあり、久々に訪ねる。師匠の元を。
張り詰めたような空気…。気まずい…。訪ねるべきじゃなかったのか…?
小遣いと賞金を深見に渡すたけし。
不機嫌になっていく深見。
昔のたけしならここで、場負けしていただろう。
が、深見がとある行動をし、それに対したけしが鋭いツッコミをし、一気に場の空気が和んだ。
そのままかつてのように飲みに。
深見もバッチリとキメて。しょぼくれ落ちぶれが嘘のように、飲み屋の客を散々笑わせる。“浅草の深見”、まだまだ健在なり!
たけしも応戦。
そういや劇中で二人の笑いの合戦は、このシーンが初めて。このシーンの為にあったのだ!
お開きの際の、かつては怒られた“ハイヒール・ボケ”。あれをしっかりと覚えていて、師匠の為にお膳立てる。
本当に本作は、師弟愛の物語。
もし、体力も精神もMAXだった時の深見だったら、弟子の小遣いなんてブチギレていただろう。
しかし今はもう、そんな気力もない。相変わらず口だけは悪いが。
別の意味もあるかもしれない。
とっくに芸人も辞め、落ちぶれた。それでも、師匠と呼び、慕ってくれる。
「バカ野郎」
それが嬉しかった。
(実際二人は、これを機に再び親交を取り戻したという)
ビートたけしの自伝小説に基づく。
なので、深見の最期も。
悲劇…。
見終わった後、深見千三郎についてWikipediaで詳しく検索してしまったほど。
TV出演が無かった彼が、唯一と言っていいくらいTVで報道でされた最初で最期らしい。
訃報を聞いたたけしが師匠へ捧げた毒舌哀悼が胸に染みた。
また、深見がフランス座を守り続けたもう一つの理由。こんなにも愛されていたんだ。
…いや、ひょっとしたらひょっとしやがった。
大まかな話はエンタメ世界のオーソドックス。
無名の存在。才能を見込まれる。独立。挫折を味わうも、再起。快進撃や地位を築いていく。その心中にあり続けるのは…。
ある大物。若い才能を見抜く。決別。時代に取り残され、アルコールに溺れ…。その心中にあり続けるのは…。
これらをヘンに色を出すのではなく、笑い、人情、ハートフル、感動を織り交ぜ、誰もが見れる好編に仕上げた劇団ひとりの演出に好感。
ファンタスティックなラストが良かった。
現在のフランス座を訪れた現在のたけし。
中に入ると、そこはかつての風景。懐かしい面々が「タケちゃん!」と迎えてくれる。
バックに流れる名曲“浅草キッド”。
何だか自分もたかだか2時間だけなのに、タイムスリップして、ノスタルジックな雰囲気に浸れた。
ラストシーンは深見と舞台に立つ現在のたけし。
あのシーン。あの台詞。
毒舌だけど、生きざま溢れる。
しっかり脈々と、師匠から受け継ぐ。
「芸人だよ、バカ野郎!」
たけしを尊敬するひとり。
深見を師とするたけし。
一見、ひとりがこの二人に捧げたラブレターだが、全ての芸人、全ての芸に万感の思いと笑いを込めて。
2022年の初笑いと初感動。
エンドロールもお洒落
2022年1作目。
(自分の勝手なこだわりで、映画館で鑑賞した作品をレビューの対象に、と思っているけど、今回はNetflix作品)
『浅草キッド』。
キネマ旬報にも特集記事が出ていたし、ちょっと観てみましょ、と観始めたら止まらなかった。
劇団ひとりさんが7年前から撮ろうとしていた、撮るなら自分だ、と思っていただけあって完成度が高くて、観ごたえがあった。大泉洋さんの色気が半端ない。俳優・女優さん達がみんな光ってた。
エンドロールのアニメーション、桑田佳祐のタイトルソングまで贅沢な作品。
お正月に観てよかった。
劇場の良さ
映画でも映画館で観るのとテレビで観るのの違いぐらいあるのかしら?
演芸を舞台で観ることは今までなかったけれど
ミュージシャンのライブもたしかに生歌は良いですし
この映画をネトフリでテレビで観ながら
舞台芸人の師匠の事を考える
矛盾しているようだ。
元旦の今日
特番で生放送のお笑い番組を
なんとなく見る気になれなくなった
関西人の私は漫才ブームが来た時に
関東で漫才がわかるのか?と思ってたけど
寅さんだとか笑点だとか
そんな笑いが関東なのかなと思ってたけど
笑いをこえて
感動した映画でした。
柳楽優弥と大泉洋
最高ですね
大泉洋と劇団ひとり
相性いいのかな
大泉洋さんの映画はいいのが多いけど
これも晴天の霹靂も感動しました
たけしに師匠がいたのだ。柳楽もすごく良かづたし、大泉も。 師匠に指...
たけしに師匠がいたのだ。柳楽もすごく良かづたし、大泉も。
師匠に指がなかった話。
どんな不幸な状況も笑い飛ばす、江戸っ子的笑い。粋だ。
笑いでつながる師弟愛
フランス座を辞めた時点で、師匠とは縁が切れて、そこからどうやって関係を修復するんだろうと思って見てたけど、そんな次元じゃなかった。
もともと関係は壊れていなかった。
その師弟愛は本物。
たけしも、師匠との関係が壊れていない自信があったから、あの最後の日、師匠に会いに行ったのだと思う。
その自信は、たけしの初テレビの日、自分の漫才を貫いたところから来ていると思う。この芸なら、師匠は分かってくれる、その自信があった。
あのシーンで、タップダンスをしながら過去の映像がフラッシュバックするのは凄かった。ああいう演出はとても好き。
芸人
あったかい話だった。
柳楽氏と大泉氏がとにかく絶品。
監督のストリーテリングと相まって珠玉の作品になっていたのではと思う。
特に柳楽氏はとんでもない偉業を成し遂げたと言わざるを得ない。日本人なら誰でも知ってる「ビートたけし」それを演じる。
記憶にあるビートたけしではない。リアルタイムでビートたけしっぷりの答え合わせが出来てしまうのだ。
…見事だった。
口調、仕草、歩き方さえ、本人そのものだった。
所作指導に松村氏を起用した監督のビジョンも卓越したものだったと思われる。
こういう話に俺は弱い。
「火花」を観た時とは違う、芸人の裏側が見えて…その生き様というか習性というか、流石なのである。
作中には金言が溢れてる。
「笑われんじゃねえぞ、笑わせんだよ」
この言葉を聞いた時の衝撃は凄まじかった。
多分、俺が中学の頃だったと思うけど。
その台詞を言ってのけた大泉氏の背骨に惚れた。
話は逸れるけど、明石家さんまさんにも鬼気迫る一言がある。あの御仁は絶対泣かないらしい。
その理由が「お客さんが気兼ねなく笑えなくなるから」なんだとか。
TVという媒体で仕事をしてきた芸人さんらしい考え方だと思う。笑える環境に「同情」とかの不純物は一切いらないのだ。
劇中、師匠の指をいじる件がある。
そんなもので一笑いできれば儲け物なのだ。
師匠が当てた万馬券を全部使うのもそうだろう。そのリアルな感情を笑いえと変換する。
24時間、貪欲なのだ。
浅草フランス座。
たけしさんのベースにはソレがずっとあるような展開になってた。
最後の1カット長回しは見事だった。
大賞の賞金をそのまま師匠に小遣いだと持っていく件とか、その後の居酒屋のやり取りとか、師弟しかも芸人の師弟って関係が素敵だった。
落ちぶれたコメディアン。
超売れっ子の漫才師。
社会的な地位は逆転するけれど、弟子はいつまで経っても弟子なのだ。
その帰り道、2人は嬉しそうに「ウケたなあ」と笑い合う。恐ろしい程にシンプルな共通項が垣間見える。
ノスタルジックな終幕ではあったけれど、きっとそのノスタルジックにならざるを得ない状況が業界にはあるのだろう。
名声を手にした時に動く金は桁が違う。
それゆえのプレッシャーも付いてまわる。
原点を振り返っても、その時のままではいけない事だって当然出てくる。
そんな想いを長回しの背中に見てたような気がする。
柳楽氏のタップダンスは絶品だった。
大泉氏の粋な台詞回しが絶品だった。
何よりこの作品を撮った劇団ひとり監督は素晴らしかった。「浅草キッド」は名曲でまた泣かされた。
そして、おそらく明石家さんまさんにも、同じくらいかそれ以上のドラマがあるのだろうけれど、全く想像出来ないし、ご存命の内にその自伝を観る事はないのだろうと思った。
観客として芸人達へのリスペクトはいらない。
ただ、彼等が色んなものを削って抱えて、僕らの前に立つ時に、面白ければ笑えばいいのだと思う。
その為に、彼等は舞台に上がるのだから。
主題歌桑田さんだったら絶対良い映画説。
ビートたけしさんが駆け出しの頃過ごした浅草フランス座で出会った師匠との絆の話。
前半は夢追い青年タケシの成功物語が始まるように見せてるけど、割と最初から切ない。タップダンスを練習するタケシと既に完璧にかっこいい千晴のダンスが同時に見せられるように、タケシはフランス座に来た時まだまだこれから上がっていくひよっこだけど、フランス座の人達はその時が絶頂あるいは絶頂を超えてしまった人達。
そしてタケシが売れるにつれ視点は師匠に移り、苦しい生活を見せられる。この「平家物語」から続く日本人が大好きな栄枯衰退みたいな話ってよくあるっちゃあるんだけど、これが実話なのが凄い(いや平家物語も歴史だから実話っちゃ実話か)。師匠の最期も劇的で、まさに"面白い死に方"だった。
人の栄枯盛衰だけじゃなくて、舞台からテレビへと移る時代に取り残されていく演舞場の要素も盛り込まれていて、その話をテレビより配信と言われるこの時代Netflixオリジナルで配信してるってのがまた皮肉。そしてツービートがテレビで使えるネタにしろと言われるシーンがあるけれど、テレビで出来ないことをやるのが今はNetflixっていう。
もちろん舞台には舞台の良さがあると思うけど、テレビには出てなかったので師匠こと深見千三郎さんの映像がほとんどないのが残念。後世にその人を伝えられるのがやっぱりテレビとか配信の良いとこ。
あとは冒頭タケシの顔がドアップで写って本当のビートたけしか思うほどリアルな特殊メイクだったけど、やっぱり動いてると結構不自然だったな(笑)『ウィンストン・チャーチル』にはまだ及ばないか。個人的にまだ生きてる人だからここまで寄せなくて良いのではと思うんだけど。私的にめちゃくちゃ似せる必要があるのって既に亡くなってる人のイメージ。
完璧な布陣に劇団ひとりの”たけし”愛
原作の濃厚さはもちろんの事、キャスティングがすばらしい。
キャスティングされた役者たちが最高すぎる。
柳楽優弥の北野たけしっぷりは、最初やりすぎかなと思うも、慣れるにつれ乗り移ったようにも見える。
監督・脚本を務めた劇団ひとりの北野たけし愛もすごく感じた。
師匠である”深見”と弟子の”たけし”の師弟愛に涙が流れる。
名作の風貌
物語の展開も演出もこれ見よがしではなく、とても上品に洗練されていながら感動的でもあり、見事でした。
柳楽優弥はビートたけしの存在感を身に纏って神がかり的な演技。しくざ指導の松村邦洋もご満悦なのでは。
さりげなく現在のお笑いへの批評にもなっていましたね。
単純に面白かった
劇団ひとりは、芸人としてのキャラも好きだから彼の映画もほぼ観ている。浅草キッド、タイトル通り、単純に面白かったです。大泉もいい味だしてたし、柳楽は、さすがの演技力で安心して見ていられる。見て損はないです。あえていうならこの作品の監督は、言わずとしれた超映画フリークの「ひとり」、歴代の邦画、洋画の美味しいとこをとってます。見ていてこの感じどっかで見たぞ感がある。まぁそれは、それでいいですがね。
柳楽優弥の演技がよい、泣き笑いエンタメ作品
柳楽優弥の演技が素晴らしい。ちょっとモノマネやり過ぎ感はあるものの、短い2時間で観客が入っていくにはこれくらいの演出が必要か。
ストーリーは笑わせ泣かせでよくできているのだが、少し綺麗過ぎで、個人的には70年代の暑苦しいドロドロ感が欲しかったけど、いま食するには胃もたれもなく、すっきり泣き笑えるエンターテイメントで、ちょうどNETFLIXで公開された時期もあいまって、年末年始の豪華特番ドラマをみたような印象でした。
哀愁…命懸けで今日も生きてるんだよ
Netflixで鑑賞(Netflixオリジナル映画)。
原作は未読です。
ビートたけしの誕生秘話を、彼の師匠である幻の浅草芸人・深見千三郎との関係を軸に描き出した感動作。
開始間も無くで目を見張りました。柳楽優弥がたけしにしか見えなかったからです。左目の瞬きや首の動きなど、完全トレース。それはまさに「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックが如く。演技指導が松村邦洋と知ってびっくり!
深見千三郎役の大泉洋も素晴らしい演技でした。
序盤のたけしを教え導く「バカヤロー」。中盤でのフランス座から出て行くことを決めたたけし―師匠から旅立とうとしている弟子を送った「バカヤロー」。終盤の弟子の活躍を誇らしく思う「バカヤロー」。状況によって変わる「バカヤロー」の意味合いを表現する繊細な演技が心に沁みました。これからバカヤローって言葉聞くだけで涙腺緩んでしまうかも…
居酒屋でたけしと共に客をさんざん笑わせた後、タクシーで帰るたけしを見送るその佇まいには溢れんばかりの哀愁が漂っており、その後の結末も含めて涙を禁じ得ませんでした。
成功した者と、夢破れた者―
その対比に心揺さぶられました。
今の”ビートたけし”としての芸人としての教えや生き方が見える
“お笑いBIG3”の1人ビートたけしのフランス座での下積み時代から、漫才ブームで駆け上がるまでの北野武と師匠である深見千三郎との日々を描いた作品。
常に芸人ならボケて笑わせる師匠の教えを今でもやり抜くたけしさんの姿勢に、この映画から今の”ビートたけし”としての芸人としての教えや生き方が見えたような気がした。
そして最後の最後まで師匠も何を言われても、師匠が笑いでおとすところに芸人としての1本筋が通っており観ていて気持ちよく感動した。
いま無茶苦茶やっているたけしさんにも、下積み時代があり、初舞台があり、こんなにも最初はおどおどしていたかと思うと初々しさとその新鮮さが微笑ましいなと思った。
またお笑い芸人の人生を描いた映画だが、序盤は芸を磨くためタップダンスに勤しむシーンはミュージカルを観ているようでよかった。
本作にはお笑い芸人なら為になる名言がたくさん出てくる。また芸の道だけでなく、自分と真摯に向き合うことを教えてくれると思った。
個人的に歌の「浅草キッド」が好きなので2回も流れてよかった。特に2回目の歌に合わせてフランス座を歩きながら回想する長回しのシーンは良いなぁとしみじみ思った。東洋館の昔の歴史の一部を通して笑いの1つの歴史をみれるのも良かった。
芸人の養成所が増え、師弟関係での芸の教えが少なくなる今、こんな2人のような師弟関係の芸人は今後生まれてくる機会が少ないのかな…と思うと少し悲しさを感じた。
“鯨を食って、芸を磨く”浅草の捕鯨船に足を運びたくなった。
ビートたけしの大ファンである監督・劇団ひとりのビートたけしへの尊敬と愛が観られる作品だなと思った。
お笑い好きなものとして観てとても良かったと思えた。
M-1やそのアナザーストーリーの時にネトフリがうったCMも芸人に向けたメッセージになっていてとてもよかった。
たけし気持ち悪い。。
初め本物??とおもって、すぐいや違う、とわかった時に特殊メイクが凄すぎてなんか気持ち悪かった。全面写さないほうがよかったかなーと。柳楽くんはたけしに見えたし、渥美清もそう見えた。土屋も良かった。全体的にキャストがいい。奥さんが鈴木保奈美はちょっと年齢的に無理あるかなーと思った。芸人としてのプライド、後輩への見栄。難しくて辛い。
古き良き昭和という時代
個人評価:4.1
人々が学生運動など政治に関心を持つ時代から、文芸やTV、笑いに興味が移り変わる変化の時代。そんな狭間を生きた師匠と弟子の物語。師匠は取り残され、弟子は次に進む。そんな切なく笑いに包まれた物語。
劇団ひとりの作品は初めて見たが、脚本も素晴らしく、味わい深い作品を作れる監督だと正直驚いた。
大泉洋、柳楽優弥の演技も素晴らしく、古き良き昭和という時代も感じられた。
泣く。こんなに切なくて面白い映画は久しぶり
原作を読んでいて本人以外の役者さんが出来ないって、勝手に思い込んでました。
たけしさんは、昭和のヒーロー。僕らに笑いを教えてくれて元気をくれた神様です。
アニメ全盛の時代に皆んなに絶対見てほしい、これぞまさに映画。
何回見ても泣ける。
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