「伊藤沙莉にやられた」ボクたちはみんな大人になれなかった bionさんの映画レビュー(感想・評価)
伊藤沙莉にやられた
最初の方でラサール石井のわざとらしい演技を見せられて辟易したが、この人がいなくなったあたりから引き込まれていくようになった。やはり、伊藤沙莉の魅力なんだろうね。誠と初めて泊まったラブホテルで見せるかおりの仕草とか表情とかが素の女の子にしか見えない。
初めての異世界のような内装に興奮してはしゃぐかおりがだが、その時を迎えると極度の緊張が好奇心を殺してしまい、誠のリードに身を委ねてしまう。リードを任された誠もガチガチで、この辺の二人の演技はとても純な感じがして、たまらなかった。
ストーリーは、平成の時代を順々に遡る回想形式となっている。シーン毎にその時代時代の自分の記憶も蘇ってきて、ある意味、タイムマシンに乗っているようにも感じた。この辺の演出が上手い。
誠のいう大人とは、家庭を持ち子供を作る事を意味しているが、いろんな事をあきらめて、人生に折り合いをつけて生きている現在の誠は完全に大人になってしまっている。
でもわかる。大人になりたくないのは、自分も同じだから。
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