「見ている自分の命が削られる」孤狼の血 LEVEL2 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
見ている自分の命が削られる
凄いものを見てしまった。『仁義なき戦い』
風のナレーション、インサートされるニュース風解説も完全なオマージュなんだけれども、この作品を見た後では、『仁義なき戦い』がお伽話にしか感じなくなる。
鈴木亮平演じる上林がやばすぎるでしょう。もみあげを刈り込んだその上に鎮座するエルフ耳の怖いこと。無慈悲で残虐な所業をスクリーンで見せつけられて、自分の命が削られたと思う。ここまで役作りした鈴木亮平のメンタルが心配になる。
前作では、青臭い新米刑事だった日岡が、見た目も振る舞いもしっかり大上の跡を継いでいる。パート2の主役が松坂桃李に務まるのかちょっと心配だったんだけど、完全に杞憂だったね。鈴木亮平との顔圧勝負は一歩も引いていなかった。
スケールアップしたマル暴デカ日岡の相棒になったのは、定年前でのんびりしたヒラ刑事の瀬島。この役を中村 梅雀が演じるだけど、いろんな意味で上手すぎる。しかも奥さん役は、宮崎美子。絶妙なバディ(相棒)が誕生して中盤が俄然盛り上がる。これ自体が伏線になっているなんて、ホント上手いよ。
村上虹郎も光ってたね。ヤクザ映画では、チンピラの運命は、儚いって相場が決まっているんだけど、必死に運命に抗う感じがすごく伝わってきて、泣いちゃったよ。
凄すぎて、2回目を見る勇気が湧かない。
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