劇場公開日 2021年9月17日

「伏線の塩梅」マスカレード・ナイト おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5伏線の塩梅

2021年9月19日
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鑑賞方法:映画館

難しい

前作「マスカレードホテル」に続くマスカレードシリーズ第2弾。前作がおもしろかっただけに、期待値を上げて待っていましたが、本作もなかなか楽しめました。

ストーリーは、殺人事件の捜査本部に、「犯人がホテルに現れる」というFAXによる密告があり、捜査陣がホテルで潜入捜査を始め、次々と訪れる怪しげな客の中から犯人を探すというもの。基本的な舞台設定は前作と同様で、例によってホテルマンと警察が互いのプライドをかけて衝突する中、お客様を守るという共通の使命感のもと、犯人とその真相に迫るという構図も前作同様。当然のことながら、新田と山岸の関係は前作を踏まえたものになっているので、できれば前作を先に観ておいた方が楽しめます。

ネタバレになるので詳しくは書けませんが、次から次へと現れる怪しい客が、警察に捜査の的を絞らせないという展開は、前作同様とはいえやはりおもしろいです。誰が犯人であってもおかしくないようなキャスティングも、劇場作品ならではの華やかさがあってよかったです。本作は、さらにマスカレード・ナイトというイベントを絡め、参加客全員が仮装をして素顔が見えないという要素が加わり、緊迫感を高めていたのもよかったです。

主演の木村拓哉さんは、本作でもキムタクです。でも、それが彼なので問題なし。新田を演じる長澤まさみさんは、コンシェルジュに昇格しただけあって堂に入った佇まいが素敵で、彼女がいるホテルに泊まりたくなります。犯人役の俳優さんも、今までとは違う一面が見られ、すばらしかったです。

ただ、前作でウリだったホテルマンと警察のぶつかり合いは、やや薄まったような印象を受けました。まあ互いに二度目の経験なので、それはしかたのないことかもしれません。それより気になったのは、事件の真相解明シーンです。犯人の動機が終盤で一気に語られ、ちょっと肩透かしを食らった気分です。できれば、もう少し丁寧に伏線が張られているとよかったです。逆に、アメリカのホテルへの派遣や腕時計などの伏線は、わかりやすすぎて、終盤のハラハラ感を欠いてしまった印象です。伏線の塩梅はミステリーの肝なので、もう少しうまく観客を騙してほしかったところです。

とはいえ、それなりに楽しめる作品に仕上がっていると思いますので、前作を楽しめた方は劇場に足を運んでもいいのではないでしょうか。

おじゃる
満塁本塁打さんのコメント
2021年9月19日

おじゃるさん。返信お気遣いありがとうございます😊😊全くの同感です。どうもすいません。

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2021年9月19日

こんにちわ。動機については全く同感です。貴殿(貴女)のレビューで気づきました。私の「はぁ?何ですかぁ?その動機」感。伏線のない、「いきなり」動機自白が原因でした。唐突感否めないですよね。重い話を一気にまくしたてられても・・ご教示ありがとうございます😭😭目からウロコです。

満塁本塁打