劇場公開日 2021年3月12日

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「ペペという虚像。」フィールズ・グッド・マン はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ペペという虚像。

2021年4月17日
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鑑賞方法:映画館

「ペペ」漫画Boy´sClubに登場するカエルのキャラクター。作中で放った「feel´s good man」の一言がなぜかネット住民達から支持を集め瞬く間に拡散されてゆく。生みの親マット・フューリーの手を離れネットミームとしてひとり歩きを始めるペペ。最終的には一部の過激なドナルド・トランプ支援者達によってオルタナ右翼のヘイトシンボルに祭り上げられてしまう。マットは遂にペペ奪還作戦を開始。関わった人々の証言を元に構成されたドキュメンタリー映画です。

今なお分断を続ける大国アメリカ。その影に取り込まれたペペと巻き込まれたマット。しかしマット自身は家族と自由を愛する至って平和主義者。そもそもなぜペペだったのか。ネットの空想社会から現実社会への刺客として。なかなか闇が深い内容でした。ペペを通して見るアメリカの思想。もはや笑えない。

一方、自由と尊厳を懸けた闘いが続く香港。若者達の間でその光を担うキャラクターが誕生した。まさに光と影。ペペはこの先何処へ向かうのか。

ちなみに、私はペペには申し訳ないですが全生物の中でカエルが最も嫌いです。母曰くものすごい小さい頃からカエルを異常に怖がったそうです。きっと前世で何かあったんだろうと思ってます。

はるたろう