「日本のネット事情も連想してしまう空恐ろしさ」フィールズ・グッド・マン kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
日本のネット事情も連想してしまう空恐ろしさ
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差別主義者の象徴となってしまったカエルのキャラクター「ぺぺ」。ぺぺを作り出したマンガ家が辿った軌跡を伝えるドキュメンタリー映画。
ぺぺが色んな人に使われていくきっかけがネットの掲示板で、徐々に差別主義者たちに悪用されていく過程は初めて知った。日本の2ちゃんのようであり、「モナー」を連想してしまった。あれもネトウヨに悪用されたりしてたことを思い出す。
リア充への嫉妬・悪意、陰キャ・童貞・ニートたちの劣等感、「祭り」を待望する退屈感…、出演している「4チャンネラー」たちの言ってることも、日本の2ちゃん(今は5ちゃんか…)で語られていることにそっくりでビックリした。負の感情がヘイトにつながるってことを目の当たりにした感じだ。
ただ、希望がないわけではない。ぺぺが香港の若者たちの間で民主化を象徴するキャラクターになっているということは驚いた。ドキュメンタリー映画としては出来過ぎな結末だろう。
それにしても改めて思うのは、トランプが大統領になったことはアメリカだけでなく世界的にも重大な危機だったんじゃないかということ。SNSを含むネットの負の力が世の中を悪く変えてしまう恐ろしさを感じた映画だった。
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