「【続くバトル】」フィールズ・グッド・マン ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【続くバトル】
どこか寂しげで優しそうなペペの表情が、最初に引きこもりの人たちの共感を得たのだろうか。
通常、インターネットミームは、SNSや匿名掲示板のアカウントが、アレンジを繰り返したりしながら拡散していくのが特徴とされるが、ただ、仮に引きこもりとされる人たちでさえ、特定のミームで繋がっていることが判ったとたん、アニマルスピリットのマーケティングや、政治的喧伝の対象になることが明らかで、ここではペペが利用され、オルトライトと呼ばれる極右の悪意も取り込んで、予想もしない方向に進んでしまった。
独立したアーティストが権利を主張することの難しさなどもあるとは思うが、画像などの権利はまだしも、ミームのひとつとされる言い回し表現なんかの場合、管理はより困難というか、不可能に近いと思うので、効果云々というより、ネット世界の現状に暗澹たる気持ちになる。
ただ、これは、個別のインターネットミームの問題として考えるより、ネット社会のモラリティなどを、差別や誹謗中傷、権利侵害、虚偽の拡散などの観点から考えて、政治も含めて社会として、或いはまた、法規制として、どのように対処するのかを方向性を明示し、地道に啓蒙しないと、ダメだなと思う。
20年のアメリカ大統領選挙にも、ロシアが介入しようとしていたというニュースが飛び込んできたばかりで、国家単位で、不正を厭わない連中がいるのだから、個人では、極力、頭を駆使して、変な連中にジャックされないようにしないといけないと感じる。
昨年、夏ぐらいまで、日本のTwitterは、ネトウヨの差別的投稿や誹謗中傷を放置する傾向があったが、アメリカのTwitterが大統領選挙前にフェイクの書き込みなどに対する方針を大きく転換したことや、3月17日に略式起訴された黒川元検事の問題についての日本のTwitterデモもきっかけになって、ネトウヨの差別的投稿や誹謗中傷の書き込みの削除、アカウントの停止・凍結が多くなった。
実は、Twitterの中には「春のネトウヨBAN祭り(ヤマザキ春のパン祭りにかけたもの。季節に応じて夏でも秋でも冬でも構わない。BANは、英語の禁じるの意味)」という地道な活動があって、ネトウヨが好む特定のワードをTwitterのなかで検索して、そこでヒットした書き込みを読んで、差別や誹謗中傷であれば、Twitterにどんどん報告するのだが、これは実に効果的だ。
ネトウヨのなかには、自分達にも表現の自由があるのだから、こうした行為、ムーブメントは止めさせろとTwitterに抗議するのもいるらしいが、差別や誹謗中傷がそもそも禁止行為なのだから、ネトウヨがBAN(禁止)されるのは当たり前だと気が付かないところがバカなんだなと改めて感じる。
更に、BAN祭りをするアカウントを炙り出して、Twitterに報告する方法を編み出したという頓珍漢なネトウヨもいて、BAN祭りをしている側は、どんな禁止項目に該当するのか、項目をチェックして報告しているだけなのに、どんな方法を編み出して、報告する人を炙り出しているのか、本当に分からないので、つくづくネトウヨの頭の中は常人とは異なっているのだろうなと苦笑してしまう。
最近だと、芸能人が行ったアイヌへの差別表現問題について、ネトウヨから、「アイヌ民族などいない。いるのは日本人だけだ」みたいな差別発言を擁護するようなヘイト投稿があるらしい。
所詮、愛国とか言いながら、頭のクソ悪い自分が大好きなだけのクズな連中だ。
是非、時間のある人は、Twitterで、#春のネトウヨBAN祭り を検索して欲しい。
このプロみたいな方が複数いて、やり方も見せているケースもあるので、トライしていただければ、皆さんの報告もまた、蓄積して差別や誹謗中傷を減らすのに役立つ気がする。
昨日、3月17日、GoogleのAIが、3億件の違反広告を見つけて対応したとニュースでやっていたが、こうした地道な差別や誹謗中傷の報告を学習して、将来はTwitterのAIが、オートマティックに差別や誹謗中傷を削除することになるのだろうなと考えている。
行政や、極右もいるバカ政権が動かないのであれば、個人や社会が良識を示さないとダメなのだと思う。
対抗措置は絶対にある。
また、バカにつける薬はない。