「映像、作画、演出どれも過去最高レベル」映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021 Masaさんの映画レビュー(感想・評価)
映像、作画、演出どれも過去最高レベル
コロナの影響もあって、久しぶりの映画ドラえもんである今作。結論から言うと本当に素晴らしいリメイク作品でした。
まず映像、これは本当にもう過去最高レベルで迫力があり、特にプシアとの戦闘シーンやのび太たちが戦車で戦うシーンはもはや子どもアニメとは思えない手の込みようです。そしてそれを表現するだけの圧倒的な作画、気持ちいい所に流してくれる音楽等、アクション映画としてとても評価できる内容になっていると思います。
また演出や脚本も過去作の反省をしっかり受け継いでいる印象です。過去作の宇宙小戦争では前半早々にパピが退場するため、パピとの友情や、どうしてのび太たちがそこまでプリカの星に介入するのかという動機づけが不十分だったように思います。またスモールライトを使うシーンやしずかちゃんが巨大化するシーンなど、せっかくの見せ場が旧ドラでは淡々としすぎていた面がありました。今作ではこれらをしっかりとリメイクし、パピのお姉ちゃんを新たに登場させ、一つ一つのシーンを丁寧に迫力ある見せ方をすることで、ストーリとしての一貫性を持たせ、より一層面白くなっています。特に今作オリジナルシーンである、ジャイアンがのび太を逃がすシーンは、石ころぼうしという道具の特性を生かしためちゃくちゃ熱くなれるシーンでした!
残念な点をあげるとすれば、その石ころぼうしを今作は使ったことで、片付けラッカーの「効果がずっと続く薬なんてない」という伏線をカットせざるを得なかったところです。しかし逆に石ころぼうしを使ったことで、前述のような熱い展開にも出来たわけで、それを考えるとイーブンなように思います。
また前作の主題歌「少年期」を使ってほしかったという声であったり、パピのお姉ちゃんの見せ場が少なかったという意見がありますが、それらは今挙げたような演出をしていく上で切り捨てても仕方なかった部分だったのかなと思います。
以上総合すると、アクション映画としても非常に優秀な映画だったし、そして今の世界情勢と偶然に重なり合ったストーリーも相まって、大人こそとても楽しめる映画だったと感じました!