「ほんやくこんにゃくの有効期限はありません」映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ほんやくこんにゃくの有効期限はありません

2022年3月12日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

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幸せ

タイトルに2021なんて付けちゃったせいで東京オリンピック状態になっている本作。映画ドラえもんというのがどうも好きになれず、一昨年こそなかなか面白かったものの、やっぱりまだ期待できない。約1年半ぶりのドラえもん。せっかくなら映画館で見ようと思って行ったが、予想だにしない結果に。なんと、かなり面白かった!!

今回の特に良かったところと言えば、みんながそれぞれで活躍していたところ。特にスネ夫なんて、今までの綺麗事だらけの映画ドラえもんに一喝入れるような人間臭さでとてもいい味出していて、垣間見える友達思いなところや協力する姿勢にグッときた。パピ、ロコロコもドラえもんの世界にすっと馴染んでいて安定感もあり、キャラクターだけでもかなり見応えのある作品に仕上がっていた。最初ののび太には相変わらずイライラしましたけど笑

しかも、宇宙小戦争ということもあって映画館で見てよかったと思えるほどの迫力。エンドロールを見るとそこには「白組」の文字が。なるほどなぁ〜、納得です。私が映画ドラえもんが苦手な理由のひとつが、いつもと作画がガラリと変わるところなのだが、今回はテレビのドラえもんと何ら変わらなかったところも個人的には好印象。映像に関しても文句なしの出来栄えでした。

ストーリーは子どもにとっては少し難しい内容だったかもしれないけど、大人の視点で言えばかなり骨太で深みもあり非常に楽しめた。かすかべ防衛隊のような友情、オトナ帝国のような世を支配する人物、途中で音楽が流れ前へと突き進むシーンなど、なんだかクレヨンしんちゃんを見ている気分に。伏線回収も綺麗で、細かいネタも沢山。いい意味でドラえもんらしかぬ作りだけど、ドラえもんの魅力が存分に詰め込まれた作品。これだったら毎年見たいな〜。

序盤はドラえもんあるある展開で飽き飽き、ツッコミどころも各所で見られたり、あまりにも無茶な脚本があったりもしたけれど、香川照之の独裁者がクセになるわ、終わり方は美しいわで満足度高め。終いにはOfficial髭男dismのUniverseで最高の気分に。ドラえもんでここまで幸せになれるとは思っても見ませんでした。
この春、イチオシ映画です。1人でも友達、恋人、家族とでもぜひ劇場で。

サプライズ