アナザー・ワールド 異次元の怪物のレビュー・感想・評価
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ネット、IoT、電気、インフラ
むか~しむかし、現世と死者の世界の境に住み、しもべのナヴィに子供を誘拐させてはその子供を喰らっていたヤーガなる魔物がおったそうで、攫われた子供たちはその親たちの記憶から失われたそうな...
母の死を引きずる思春期真っ盛りのイゴールは、腹違いの妹ヴァーリャのことは気にかけずにいられないものの、継母とは折り合いがつかず再婚を選択した父もまた許すことができず、新しい家族の中で居心地の悪さを感じていた。
一家はギクシャクしたまま子守を雇うことになるのだが、何やらその子守が怪しいったら怪しい。彼女が来てからというもの不可思議な現象が絶えず、日に日にそれが増していった矢先遂には赤子のヴァーリャが失踪してしまうのだった。
しかし両親は平然としており大混乱。よくよく探ってみるにゃ妹の記憶だけがスッポリ抜け落ちていたのだ。イゴールは一目惚れしたスマホと会話する美少女と、元トリオだった悪ガキ独りと共に、子供専門の写真家の助けを借り妹を救出すべく奔走する。
ディストピア感が充満する画一的な住宅街において、子どもたちが学校というコミュニティに始まりご近所づきあいなど横の繋がりを築いているのに対し、大人たち(彼らの親御さんたち)は個々の家で閉鎖的であり、また親子という縦の関係性がある種断絶している。
そんな彼らを辛うじて繋ぎとめるものとして、利便性や快適性が追及され今や当たり前にその日常に溶け込んだ電化製品や電子機器が描かれており、その動力となる発電所から各家庭に送電される電気はというと忘却の魔物の媒介であるという。一方ランタンの灯は・・・
インターネットが無かった時代はどうやって調べ物をしていたのだろうか?
スマホが無かった時代はどうやって連絡を取り合っていたのだろうか? そもそも出会いは?
手持無沙汰の時何見ればいいの? 電車の中では? どうやって歩いてたの??
今現在ソレらによって全てが始まり、仲介してくれまたその状態を維持してくれるといっても過言ではないだろう。
そんな日常生活において絶対に欠かすことができなくなった記録媒体であるソレらの喪失と、人間の喪失に端を発する思い出という名の記憶から人と人との繋がりを問い直そうとする試みは非常に興味深い。
そして当初は無個性というある種の絶望を感じさせた画一性を、子供たちが見出した繋がりのイチ証明から全体への適応を説き希望へと転じさせたのが何より素晴らしかった。
怪物は殺しても死なない。また戻ってくる・・・
「IT イット」...「インシディアス」シリーズ...「サイレントヒル」シリーズ...「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ...「ミラーズ」シリーズ...「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001)...「フォーガットン」(2004)...「ダーケストアワー 消滅」(2011)...「エミリー 悪夢のベビーシッター」(2015)...「リメンバー・ミー」(2017)...「ストレンジャー・シングス 未知の世界」...
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