劇場公開日 2022年1月29日

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「『誰かの花』というタイトルに込められた想い」誰かの花 tackさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『誰かの花』というタイトルに込められた想い

2022年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

良い映画だった。

キャスティングからそこそこ期待していたが、順当に良い映画だった。

不器用で多くは語らないが、実は親思いで実直な主人公を演じるカトウシンスケ、思いもよらぬ事故で夫を亡くした妻を演じる和田光沙、その他も素晴らしい役者陣で、各シーンそれぞれの想いが現れ、誰が非でも誰が正解でもない人間ドラマを醸し出していた。

この『誰かの花』というタイトル。予告編を観て、花瓶が一つの発端になるから『花』なのか、と思っていたが、観終わって、このタイトルに込められた思いが伝わり、長い映画史の中で、初めて映画タイトルに感動してしまった。

被害者意識だったり、加害者意識だったり、そこの間で誰かを守ろうと思うのは、やはり誰でもあるはず。決してどちらかに肩入れせず、それぞれの想いを巧く表現していた。少し前にあった『由宇子の天秤』にも少し似ていて非なる良作である。

じーたら