「サブタイトルに込められたアリア」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア Dポッターさんの映画レビュー(感想・評価)
サブタイトルに込められたアリア
SAOシリーズの絶対的正妻アスナ視点で描かれると語られることの多いプログレッシブですが、ファンからすればキリト視点•アスナ視点の両方から語られてこそのアインクラッド編でしょう。
つまりどちらも本編。
今作では中学3年の、やや幼さの残る現実世界の良いところのお嬢様感の美少女アスナの弱さや元の姿を見られるファン垂涎の仕上がりです。
アスナがあの事件に巻き込まれるまで、ビギナーながらどうやってアインクラッド序盤で生き残り、ソードスキルを身につけていったのかが描かれている訳ですが…。この部分がサブタイトル「星なき夜のアリア(独奏曲)」ですね。
第一層攻略までに閉じ込められた1万人のうち約1,800人が亡くなった絶望の中での友情と裏切り、生き残るためにキリトさえドン引きするほどやけっぱちのアスナ。
やや駆け足感はありますが、アニメ第1期を観ている人たちにとってはむしろちょうど良いくらいでしょう。大きなスクリーン、迫力の音響(BESTIA)で、最近流行りのASMRではありませんがアスナ役の戸松遥さんの吐息まで聴こえてきそうな囁き声を含め、劇場版ならではの演出を楽しむことが出来ました。
またエンドロール後に第二層への扉をアクティベートして、続編のキーキャラクターもチラ見せまで描かれます。
終わった瞬間、劇場がザワザワしました。
久しぶりですね、こんな情報が溢れている時代に事前情報やネタバレをあまり見ずに観に来ている方達が多かったのでしょうか。
SAOはシリーズが無数に描かれ、今からアニメ第1期から観ようとするとかなり覚悟がいると思われていますが本作を観て気に入った方にはシリーズを是非追いかけてきて欲しいと思います。
Facebookの社名変更などで俄然注目を集めているメタバースのロールモデルになるSF作品はマトリックスとSAO、攻殻機動隊の3作でしょう。SAOは単なるアニメではなく、いつか人がたどり着く未来と人の本質が描かれていると思います。
まさに「これはゲームだが、遊びではない」です。
2022年公開の次作も楽しみにしています。